大衆演劇☆観劇の記録

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4回めの観劇 三吉演芸場 剣戟はる駒座 『珍説初夢』

 だいぶあいだが開きましたが、4回目の三吉演芸場です。

 本当は先月も、気になっていた浅井グループがゲストで来るということで、どうしようかなと思ったんですが、人気のある人たちが来ると舞台の上は楽しくても、客席には芝居の最中にぺちゃくちゃ喋るようなおばちゃん連中が押しかけるかなと思い、やめておくことにしました。これからはよっぽどのことがない限り、ゲストが来る日は避けようかと。

 

 で、今月の剣戟はる駒座に行ってきました。

ここは関西の劇団だそうで、三吉演芸場は13年ぶりだとか。

二十代の若い座長さん二人でやっている一座です。

 

なんで行こうかと思ったかというと、

 

 このポスターを見て、津川祀武憙(つがわ しぶき〉座長の女形を見たい! と思ったからです。ちなみに、津川鵣汀(つがわ らいちょう)座長がお兄さんで、祀武憙座長が弟さんです。二人ともわりと小柄な方たちでした。

 

 まず、お芝居は『珍説初夢』、喜劇です。これは落語の『死神』を演劇にしたものだそうで、私も知っている話だったので楽しめました。主役の祀武憙座長が軽妙な動きで笑わせ、死神役の鵣汀座長がときおり憑依したような別人格のしゃべり方になって、これがめちゃくちゃ面白い。

 

 お二人のやりとりもテンポが良くて。ただ、ちょっとだけ気になったのは、私の聞き逃しでなければ、死神が枕元に座ったら死んでしまうけど、足元にいたら呪文を唱えれば消えてしまうって説明が抜けていたような。お二人も何か足りないと感じたのか、同じ話を三回ぐらい繰り返していたので、やっぱり抜けちゃったんじゃないかと。そこがないとあとのひっくり返したり、死神が怒ったりする理由がまるっと抜けてしまうことになるのですが。

 

 でもまあ、知ってるからいいんですけどね。なんと言ってもこのお芝居、ラストの幕がバーンと開いて……ってところが実に秀逸。そういうことか、とオチが一目でわかって説明いらず、素晴らしかったです! 

 

 ここはいろんな人にたくさん褒められて劇団でも自信を持ってるところじゃないのかなあ。先代の座長さんが考えたみたいですけど、落語好きの方なんかは観る価値ありですよ。ここのオチをどうつけるかで落語家さんのセンスが問われるところなんですが、演劇でやるならこれだろうというのを見せつけてくれました。

 

 ここの劇団、二十代の座長二人とはいえ、なかなか渋いというか、こういういい感じのお芝居をほかにもいろいろやっているみたいです。明日の武士が火消しになる話っていうのも面白そうだったし、曾我廼家五郎作の『稲荷札』というのも。稲荷札というお芝居は二種類あるそうですが、こちらは正統派のほうで、ちゃんと松竹新喜劇の許可をもらってやっているのだとか。

 

 曾我廼家って名前、「おちょやん」見てたからワクワクしてしまいます。あの板尾さんが演じた須賀廼家万太郎のモデルが曾我廼家五郎ですよね。初めて喜劇を書いた人だと鵣汀座長が話していました。

ほかにもいろいろ、よそとは違った興味深いお芝居をやるみたいです。

 

 そして、あいだのトークは鵣汀座長が一人で。これがびっくり。ものすごいマシンガントーク。というか、なにか話していて、そこからの連想でまた違う話が始まって、そこからまた……という感じで、どんどん話が続いていって終わりがない! 話の内容はおもしろくて、大阪弁の早口のお喋りも楽しいのですが、終わらないのが定番になっているようで、話している最中に急に音楽が流されたり、幕を下ろされたりして、それがまたおもしろかったですw

 

 さて、待望の舞踊ショーですが、これが期待以上!! 祀武憙座長の女形が、きれー! かわいー! きゅんきゅんするー!! ともう最高でした。若いからなにからなにまで瑞々しいし、顔は文句なくきれいだし、ニコッとすると艶っぽい色気が出て本当に素敵なんです。とにかく笑顔がいい。あそこまで可憐な女形はほかにいないんじゃないかな。

 

 ただ、舞台であれだけニコッとしてたのに、インスタだとほとんど笑顔の写真がないですね。笑顔が一番魅力だから、インスタにもあのニコッとした顔をたくさん載せてほしいなあ。

 

 と、祀武憙座長の顔のことばかり書いてますが、舞踊ショーそのものも素晴らしかったです。とにかく全員がめいっぱい体を動かし、舞台の端から端まで動きまわって躍動感あふれるショーを演出してくれていて。しかも、途中、途中に笑わせるような場面を入れて、飽きさせない工夫も。

 

 津路桜日(つじ おうが)さんという大柄の座員の方も、柔らかい踊りでずっと大きく動いて見映えがしたし、女性たちも頑張っていたし、鵣汀座長の女形も色っぽかった! 祀武憙座長が片足だけで立ってけっこう長い時間踊り続けるなんて見どころもあったし、早き替えもあった。それになにより、座長二人による息の合った舞踊が最高でした!!

 

 正直、お客さんは少なかったのですが、2月の森川劇団なんかも知られていなかったけど、内容がいいとわかって後半は足繁く通うお客も増えたみたいだし、この劇団も増えてもよさそうなものだと思いました。いや、増えるべき。芝居も舞踊ショーも工夫に溢れて元気いっぱいで本当に満足できたので、私もまた行きたいです!

 

あいかわらず私の写真はひどいですw