大衆演劇☆観劇の記録

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11回めの観劇 三吉演芸場 剣戟はる駒座 千秋楽『お芝居道中』 ラストショー『役者』

 千秋楽です。

 見上げると必ずあったこのタペストリーがなくなっているのに気づいたとき、なんとなく学園祭が終わるときの寂しさが蘇ってきました。

 

 

 でも、そこからが凄かったーーー!!

 

お芝居は『お芝居道中

 

 借金の取り立てにあって困り果てている姉妹。

 ひとまず家に帰ることに。

 

 旅をしている親分さんと子分。

 子分が親分さんの財布を困っている人にあげてしまって、家にお金を取りに戻るあいだ、親分さんはここで待つことに。

 

 そこにやって来た旅役者の女形とその弟子。

 弟子といっても、人気役者がみんないなくなって、残されたのが二人だけだったということで、年季の入りすぎた先輩と、駆け出しの後輩という関係。

 

 この3組が織りなす喜劇でした。

 これがめちゃくちゃおもしろかった!!!

 

 鵣汀座長は親分さんの役で、セリフも少なく、完全に二枚目役。

 祀武憙座長は女形の役。ふだんは美貌と美声を誇っていますが、この役では、顔が不細工で、声も汚くて、みょうに威張っていて性格も悪い。でも、どこか憎めないところがある女形そのものでした。

 

 そして、その弟子が晃良朋伽さんという女性の方。劇団を卒業だそうで、また戻ってくることもありそうですが、ひとまずこれが最後の舞台ということになるそうです。

 この方がふだんは美人の女房とか演じていたのに、ここではぶっ飛んだアホ弟子に!

 どこまでが演技で、どこからが天然なのかわからないフルパワーの演技に、舞台上も客席も全員が引っ張られていました!! 

 

 祀武憙座長のツッコミも冴え渡り(やっぱりコッチの人ですねえ)、最初から最後までひたすら笑い続けました。まあ、二人ともよく喋って、よく動いてた!

 

 神回ですよ、神回!!! 言葉だけじゃなくて、本当に神がかっていました。笑いの渦に飲み込まれていくあの感覚は、まさに生で見る舞台の醍醐味ってものなんでしょうね。

 

 ストーリーは意外と単純でわかりやすく、オチは見えてるんだけど、そんなことはどうでもいいんですよ。おもしろいんだもん。なにもかも忘れて、最初から最後まで笑っていられるんだもの、最高ですよ。

 

 最後には鵣汀座長がかっこいい殺陣を見せてくれたし、大満足のお芝居でした。

 

 で、この調子でいくと長くなりすぎるので、舞踊ショーと口上の感想は飛ばして、ラストショーですが、これは千秋楽に必ず踊るという『役者』でした。

 全員が立役で、黒髪のオールバック。着物は華やかな柄の入った黒の紋付きで、金の扇を持っての群舞です。おごそかで美しかった。

 

 そして、いったん緞帳が下りますが、約束通りのアンコール!

 ふたたび出てくると、今度は座長二人も派手な装いになって、派手に激しく踊れる曲が次々と!!

 お客さんたちもみんな立ち上がって一緒に踊って、まさに完全燃焼でした。

 

 ちなみに、客席側も理想的だったなあ。

 前の指定席に大阪などから駆けつけてきた劇団ファンの方々が座って、お決まりの掛け声とか、手の振りとか、立ち上がってダンスとか先にやってくれて、うしろで見ている私たちもなにをすればいいかわかるというかたちになって、安心して楽しめました。

 駆けつけたファンの方たちもみんな感じのいい人たちだったし。

 

 これで2200円は安すぎたよ。おひねり持って行けば良かった。

 それだけが後悔です。

楽しい時をありがとうございました!