21回めの観劇 大島劇場 優木劇団 『弁天旅日記』 優木直弥 女形10変化
川崎の大島劇場に初めて行ってきました。
目的はこちら。
超絶かわいくて、お芝居も舞踊もめちゃ上手い17歳がいると聞いて、どうしても見たくて行ってみました。
大島劇場は入場料金が1800円、座布団代が100円。今のところ、平日は夜の部(18時~)のみ、土日は昼の部(13時~)と夜の部があります。
土曜日の昼の部に行ったのですが、畳みが斜めになっていて、座布団を置いて座る位置は自分で適当に決めていいようです。数人で来ているお客さんは固まって、なんとなくピクニックみたいになってました。なんだか楽しい♪
ただ、薄い座布団にずっと座っていたら、途中からお尻が痛くなってきました。夜の部は座椅子があるそうなので、もうちょっと楽かもしれません。
優木劇団は基本的に父と息子、二人の劇団のようです。好きで大衆演劇の世界に飛び込んだお父さんの優木誠座長と、幼い頃から舞台に立っている優木直弥若座長。さすがに二人だけでは無理なので、ほかの劇団に参加したり、ほかの劇団から応援に来てもらったりしているみたいです。
この大島劇場でのひと月は、一竜座の天昇屋心竜さん、天昇屋心蒼さん、あおい二千翔さん、あと二人?が手伝ってくれているみたいですが、紹介などいっさいなかったので、残念ながら誰が誰だか私にはちょっとわかりませんでした。
それでは、お芝居のあらすじを。
この日は昼夜で外題が違って、昼の部は『弁天旅日記』でした。
江戸の侠客、落合大五郎(親分)は子分たちを連れて温泉場に湯治に来ています。行きたいと言いだしたのは子分たち。でも、8日目ともなると若い子分たちは退屈しはじめ、江戸に帰りたいと言いだしました。
それなら帰る前にと親分は、隣の旅館に逗留している浪速屋の若旦那を呼んでこいと言います。若旦那は親分の囲碁ともだちです。
ちょうどそこに若旦那が新妻のおろくを連れてやって来ました。二人は関西出身ですが、親に反対されての駆け落ちです。この地に知り合いはなく、親分だけが親しく接してくれていました。
さっそく囲碁をやろうとしますが、親分が急に、お金を賭けようと言いだします。若旦那は断りました。
ところが終わってみると、掛け声は賭け碁だったなどとヤクザらしい難癖をつけられて、五十両も負けたことにされてしまいます。
親分が若旦那と仲良くなったのは、最初から若旦那が持っていた五十両を狙っていたからだったのです。そして、おろくも……。
おろくを人質としてとられ、若旦那はあわてて旅館に戻って五十両を持ってきますが、その五十両も騙し取られます。
おろくを返して欲しくて、若旦那はさらに五十両を持ってきますが、それも奪われてしまいます。しかも、おろくはいつのまにか親分と出来ていて、若旦那は捨てられてしまいます。おろくもまた、若旦那のお金目当てのあばずれだったのです。
あわせて百両、そして愛するおろくも失って、若旦那は川に飛び込んで死のうとしますが、通りかかった美しい女性に止められます。
その女性、実は女性に化けた弁天小僧だったのです。若旦那の話を聞いて、助けてやろうと言いだす弁天小僧。さて、どんな手を使うのか……。
ということで、直弥若座長がきれいな女性として現れたときには、舞台がぱあっと明るくなるようでしたが、弁天小僧の本性を現してからは、立て板に水のべらんめえ口調で、貫禄も充分。たしかに恐るべき17歳でした。
お芝居のあとの口上でも直弥若座長は一人で登場し、けっこう野太い声でしっかり喋っていました。うーん、かわいいという時代はもう終わっているのかも。しっかり大人の若座長って感じでしたね。
そしてそのあとの舞踊ショーが女形10変化だったのですが、ただ歌詞に合わせて演じるというのではなく、ひとつずつが物語になっていました。
十人十色の女の生き様を見せられていくようで、見応えがありました。
ぷうっと膨れる表情も、うまく撮れなかったけれど、ウインクも♪
直弥若座長の舞踊の次に、ほかの人が踊っていても、そこに直弥座長が現れたり。本当に早い10変化でした。裏は大変なことになっていたみたいですね。
衣装はどれも豪華で、ふんわりドレスもありました。
と思ったら、9変化めにはこんなシンプルな衣装も。売春宿の娼婦です。
そして、10変化めがラストショーに。これも物語のような展開でした。
終わったあとで優木誠座長が出てきて、裏が大変そうだったんで邪魔にならないように避けてました、えへへってなんとなく弱々しいような声で笑って話していましたw
さて、これからどうなっていくんでしょうね、優木劇団。10年経っても若座長はまだ27歳ですもんね。期待してしまいますっ。