大衆演劇☆観劇の記録

ツイッターで更新のお知らせをしています。@qT4Ucn00W6HWrE4

24回めの観劇 三吉演芸場 たつみ演劇BOX 『梅川忠兵衛』 ラストショー『星に抱かれて』

 今月2回目、三吉演芸場にたつみ演劇BOXを観に行ってきました。

 

 今日はお芝居と舞踊ショーの2本立てでした。

 お芝居は『梅川忠兵衛』。一人の苗字と名前ではなく、梅川という女性と忠兵衛という男性のお話です。

 

 実話を歌舞伎にしたものが元になっているそうで、歌舞伎では『恋飛脚大和往来』(こいのたより やまとおうらい)というのが正式な題名で、前半が「封印切」、後半は「新口村」(にのくちむら)と呼ばれているそうです。

 

 たつみ演劇BOX版の『梅川忠兵衛』も、前編と後編の2部構成になっていました。この分けてあるのが辰巳演劇BOX版だと特別な意味があって、驚きました! 観に行く前は単調な悲恋ものかなあ、なんて思っていたのですが、これは本当に観に行ってよかったです!! 

 

 では、あらすじの紹介です。

 大坂の三度飛脚屋(江戸と大坂のあいだでお金を運ぶ飛脚)亀屋の跡取り息子である忠兵衛は、大和の新口村の農家からもらわれてきた養子でした。

 ある日、お金の入った手紙を拾った忠兵衛は、色街にある郭(くるわ)の槌屋(つちや)に届けに行きました。

 

忠兵衛役の小泉ダイヤ座長。真面目で純粋な青年でした(そうとしか見えなかった)

 そこに友人の八右衛門が現れ、一緒に槌屋で遊んでいかないかと誘われますが、真面目な忠兵衛は帰ろうとします。ところが、遊女とぶつかりそうになり、その遊女に一目惚れしてしまいます。

 

 遊女の梅川もどうやら忠兵衛に一目惚れしたようで、八右衛門との約束を蹴って、忠兵衛と結ばれます。

 それからは真面目だった忠兵衛が梅川に夢中で郭通いとなり、ほかの客と取り合った末、梅川を三百両で身請けする約束までしてしまいます。

 

八右衛門役の小泉たつみ座長。立て板に水のごとく嘘と悪口が出るお喋り男でしたw

 いよいよ三百両の支払期日が迫るそのとき、忠兵衛は江戸から届いた三百両を堂島の武家屋敷に持って行くよう、義母に命じられます。

 

 ところが、忠兵衛の足は武家屋敷ではなく、梅川の待つ槌屋へ向いてしまいます。そして、その槌屋では、支払いの期日が過ぎたらすぐに梅川を身請けしようとひそかに企む八右衛門が待ち構えていたのでした。

 

 しかも、八右衛門槌屋の女将おえんに、忠兵衛についてのあることないこと悪口を次々と吹き込み、忠兵衛に味方するおえんも困り果てていました。

 

おえん役の辰巳小龍さん、梅川役の辰巳満月さん、白藤役の小泉夢有蝶さん(右上)

 さて、どうなってしまうのか。

 ちなみに、武家屋敷に届けるはずの三百両は、封を切ってしまうと横領とみなされ、死罪なんだそうです。

 それにしても、嘘も悪口も大阪弁になるとなんでこんなに面白くなるんでしょうか。たつみ座長の言いまわしの巧みさに何度も笑ってしまいました。

 

 おえんを演じた小龍さんはしっかりお歯黒まで塗って、さすがの女優魂でした! この方、本当に演技が上手いんですよね。出てくるだけで、しゃきっと、びしっと舞台が引き締まります。

 そして、梅川の女郎仲間、白藤を演じる夢有蝶さんはぶさいくメイクでおブスな女郎になって、何度も何度も笑わせてくれました。

 満月さんはほとんど喋らず、身振りだけで恋する梅川を演じていましたが、その理由は後編になってわかりました。

 

 それはですねえ、なんと! 後編では役替わりで、梅川役をダイヤ座長、忠兵衛役をたつみ座長が演じたのです!!

 

〈後編〉梅川役の小泉ダイヤ座長、忠兵衛役の小泉たつみ座長

 忠兵衛の故郷、新口村まで落ち延びた二人は、忠兵衛の実父、孫右衛門と出会い、今生の別れを告げる機会を得ます。

 しかし、ゆっくりしている暇はありません。

孫右衛門役の宝良典さん

 

 追っ手は迫り、雪が舞い散るなか、手を取り合って逃げ惑う男女……。

 ここからがもう美しくて、悲しくて、切なくて。まさにこういう舞台が見たかったんだというような演出になっていました。こんなに見応えのあるお芝居になっているなんて、予想していなかっただけに感動しました。本当に観てよかったです!

 

 お芝居のあとは小泉たつみ座長の口上があり、今後の演目やゲストについてなどのお知らせがありました(知りたい方がいたら、三吉演芸場のサイトに載っています)。

 

 そして、舞踊ショーですが、まずは女形3人のお姿を。

 

小泉ダイヤ座長

本当にきれいですよね。足すと引くのお化粧が上手すぎる気がしますw

 

小泉たつみ座長

 たつみ座長の女形は凜として、しかも憂いがあって、この女性にはどんな人生があったのだろうと、つい想像してしまいます。

 

小泉ライトさん

 花形のライトさんは初々しい女形ですね。

 

辰巳小龍さん

 そして、女優さんです。辰巳小龍さんが出てくると、そこはもう一人芝居の世界。科白はなくても物語が流れ始めます。今日は『りんご追分』の熱演でした。

 

小泉ライトさん

ライトさんも今日は華やかで若々しく、大きく軽やかに踊っていました!

 

小泉ダイヤ座長

 ダイヤ座長と愛飢男さんの楽しいからみがうまく撮れませんでした。そのときの最後のダイヤ座長のおふざけポーズも撮れませんでした。悔しいけど、ちょっと笑顔は撮れてました。

 

 そして、ラストショーは『星に抱かれて』。

 ロマンティックなタイトルだな~と思ったら、宇宙服みたいな衣装で現れ、あ、そっちかw

 ぱっと衣装が替わって、最後に、バーン!

 

 ということで、今日はいちだんと楽しゅうございました!

 

集合写真