大衆演劇☆観劇の記録

ツイッターで更新のお知らせをしています。@qT4Ucn00W6HWrE4

27回めの観劇 三吉演芸場 たつみ演劇BOX 『おさん茂兵衛』 ラストショー『三線の花』

 またまた三吉演芸場たつみ演劇BOXを観に行ってきました。

 

 お芝居は『おさん茂兵衛』です。

 こちらは本当にあった事件を近松門左衛門人形浄瑠璃にして、それが歌舞伎になったお話で、原題を『大経師昔暦』(だいきょうじ むかしごよみ)というそうですが、たつみ演劇BOX版は、それを基にして書かれた川口松太郎の戯曲『おさん茂兵衛』(映画化されて『近松物語』)が参考になっているのかもしれませんね(と、あらすじを見ていたら思ったので、知ったかぶって書きましたが、真偽不明ですw)。

 

では、あらすじです。

 全国の暦作りを一手に引き受けるほどの大経師、以春(いしゅん)は、番頭の助右衛門(すけえもん)に、手代の茂兵衛はどうしたのかと訊ねます。助右衛門は、茂兵衛は風邪で寝込んでいるとこたえました。

 

 茂兵衛は腕のいい職人で、今は関白様の金襴の暦の制作を任されています。それで以春は心配したのでした。

 

助右衛門役の小泉たつみ座長

 以春の妻おさんに、実家である岐阜屋の母と兄が訪ねてきます。

 兄が客から預かっていた金七貫を使い込んでしまい、二貫はなんとか掻き集めたが、残りの五貫がどうにも用意できない、このままではお縄になってしまうので、貸してほしいとおさんに頼みました。

 

 金の無心はこれが初めてではありません。おさんの兄は金遣いが荒く、何度もおさんに泣きついてきていました。

 

おせん役の辰巳小龍さん

 しかし、おさんの実家からの金の無心にうんざりしている以春が、金五貫も貸してくれるはずはありません。それどころか、以春の実の姉におさんがお金を貸したことを責め立て、二度と貸すなと言いました。

 

以春役の宝良典さん

 以春は侍に金を貸して儲けながら、さらに弱みを握って出世に利用して、苗字帯刀を許されるほどの身分となっていました。そこまでの人でありながら、実の姉に金を貸すことさえ渋るのかと、おさんは憎しみを覚えます。

 

 風邪が治って出てきた茂兵衛は、おさんが困っていることを知り、自分が金五貫を貸すと約束します。

 

茂兵衛役の小泉ダイヤ座長

 一方、以春は女中のお玉に、自分の女になったら、小袖を買ってやる、家を買って住まわせてやると迫っていました。どうやらすでに毎晩、お玉の部屋に通っているようです。

 

 どうしても断りたいお玉は、以前から恋心を抱いていた茂兵衛と将来を誓い合っていると嘘をついて、どうにか以春から逃れようとします。

 

お玉役の辰巳満月さん

 以春が客を連れてきます。同じ経師屋の以三(いさん)です。以三は表向きには下手に出ていますが、いつか立場を逆転して、自分が大経師になろうと企んでいます。

 

 茂兵衛はおさんに金五貫を貸すつもりでしたが、期日が七日なのに、自分の給金は月なかばにならないともらえません。

 しかたなく、店のお金をいったん借りて、あとで返そうと、助右衛門から預かった為替の印判を使って、こっそり店のお金を自分の懐に入れます。

 

 しかし、それを以三に見られていました。以三は、ここを辞めて自分の店に来てくれるなら、このことは黙っておいてやると脅しました。

 

以三役の小泉ライトさん

 そんなことはできないと、茂兵衛は自分から以春に告白に行きます。しかし、おさんに貸す金だとは言えませんでした。

 お玉は茂兵衛を庇おうと、自分が貸してくれと頼んだのだと嘘をつきますが、これはかえって以春を怒らせてしまいます。

 

 このことがきっかけでおさんは、お玉が茂兵衛を慕っていること、そして以春が夜な夜なお玉の部屋へ通っていることを知ってしまいます。

 

 以春が許せないおさんは、お玉の部屋で、行灯に羽織を掛けて明かりを消し、以春を待ち伏せします。だが、そこに来たのは、お玉に礼を言いに来た茂兵衛でした。

 そのあとに来た以春は二人を見て、不義密通だと騒ぎ立てます。

 

助右衛門の衣装での、小泉たつみ座長の口上

 ということで、男女の関係ではなかった二人が不義を疑われ、逃げ惑うことになってしまうのですが、そこで初めて互いの気持ちを打ち明けるという、とてもドラマティックな展開になります。さて、二人はどうなってしまうのか。

 

 こちらのお芝居もほとんど幕が下ろされることがなく、奥の薄い幕の前で芝居をしたり、背景の描かれた幕が引かれたりしながら、話がどんどん展開していきました。

 

 とくに美しかったのは、二人で小舟に乗っている場面です。セットも、おおっ、と声が出るくらいよくできていたし、川面に反射した光が二人に当たってキラキラする照明の演出も素敵でした。

 あと、茂兵衛が竹藪の中を走る場面を、人を使っての演出にしたところもすごくいいと思いました。

 

 それぞれの思惑が交錯していく複雑さも、すごくわかりやすかったし、かなり話が急展開していくので、気が緩まずに集中してみることが出来ました。それぞれの役を演じている役者さんたちに見応えがありましたねー。

 

 そして、舞踊ショーです! まずはお三人の女形から。

 

小泉ライトさん

 こちらは着物と帯が同じ生地で、ピンクの表地がラメのキラキラで、ちらちら見えている裏地は黒のレースでした。モダンですね。

 

小泉ダイヤ座長

 ダイヤ座長は安定の美しさ。

 こればっかりは実物を見てもらわないとわからないw

 

小泉たつみ座長

 辰巳座長の髪の真ん中に挿してある大きめの玉かんざしは、同じものかわからないけど、立役の時も挿しているのを2回ほど見かけましたが、お顔立ちにすごく合っていて、とっても似合っていて素敵です。

辰巳萌萌さん

 今回、初めて萌萌さんが一人で踊っているのを見ました。可愛かったです♪

 

小泉ダイヤ座長

 これは楽しい感じで。本当は三人で踊っていたのですが、ほとんど離れていたので、まとめて撮ることができませんでした。

 

辰巳花さん、辰巳満月さん

 こちらが残りのお二人です。

 満月さんも一人で踊ることがあるのかな。いまだ遭遇せずです。

 

小泉ライトさん

 ライトさんのこの傘が格好よかった。花形、小泉ライト、髑髏マーク、でフード付きのマント、銀髪って完璧ですよねw

 

小泉たつみ座長、小泉ダイヤ座長

 このお二人の踊りは本当に美しかったです。今のところ、必ず一度は座長お二人の舞踊が見られているので、とっても幸せです。毎回、趣向が違っていて楽しみになりますね。

 

小泉たつみ座長

 あと、たつみ座長の歌唱がありました! 歌われることもあるんですね、初めてだったのでビックリしましたが、劇団ファンの方々がペンライトを振ってて、たつみ座長がそれをあおって、とっても盛り上がっていました。

 

そして、ラストショーは『三線の花』(さんしんのはな)でした。

 

 

 沖縄!って感じですね、行きたくなります。

 きれいに揃っていて、強弱のついた素敵な群舞でした。

 

集合写真

 ということで、翌日の『たつみDay』にどうしても行けないのが残念ですが、この日は大満足で帰りました!