47回めの観劇 三吉演芸場 宝海劇団 ゲスト 大川良太郎座長 『大江戸出世美談』 ラストショー『雪散華』
この日は劇団九州男の大川良太郎座長、そして千秋楽まで8日間の特別出演、劇団冨士川の冨士川南音座長もいて、とても賑やかでした! 珍しく昼の部より夜の部のほうが客数が多かったそうで、もちろん昼夜ともに大入りでした♪
お芝居は当日まで外題が出なくて心配したんですが、前から観たかった『大江戸出世美談』でした、よかった~。
このお芝居に出てくる新門辰五郎(しんもんたつごろう)というのはドラマ「JIN -仁-」にも出てきた実在した人物で、火消し「を組」の頭だった大親分だったそうです。
外題は劇団によって『大江戸出世美談 新門辰五郎』だったり、『晴れ姿千両役者』だったりするみたいですが、よく似たお話で『稲川と新門』というのもあります。こちらは相撲取りと火消しの話なんですが、おそらくこっちがもともとの話で、どなたかがどうしても役者の話にしたくて書き直したんじゃないかなあという気がしました。そのほうが辻褄が合うし、わざわざ書き直してまで役者の話にしたかった方の思い入れがたっぷり詰まった科白がちりばめられていたので(勝手な想像)。
それでは、舞踊ショーの写真とともに、あらすじの紹介を。
大坂から江戸に出てきた役者、中村菊之丞は人気も出ず、親方の中村右近には舞台の上で恥を掻かされ、つらい思いをしていました。
右近に、大坂に帰るか、川に飛び込んで土左衛門になれとまで言われ、泣きながら土下座をする姿を、おこも(乞食)の六助に見られていました。
六助は菊之丞の芝居を観たことがある、とても上手だったと励ましました。そして、まだ金がある頃に、菊之丞の父の芝居も観たことがあると話します。
六助は、自分はおこも連合の副会長だと言い、菊之丞の贔屓になってもいいかと聞きました。菊之丞が喜んでこれを受けると、六助は持っていた五文を菊之丞に渡し、菊之丞はありがたく頂戴しました。
家では、弟子の菊之助と菊太郎が待っていました。二人はようやく帰ってきた菊之丞の顔を見て驚きます。菊之丞の額には、中村右近につけられた傷があったのです。
怒った二人は中村右近に仕返しに行こうとしますが、菊之丞がそれを止めます。芝居で見返したいと涙ながらに訴える菊之丞に、二人はずっとついて行くと誓いました。
そこに、おこも連合の会長だと名乗る男が訪れました。汚い身なりで、左手が痺れていて常に動き、右足を引きずって杖を突いています。
六助に、菊之丞の贔屓になってくれと頼まれて、どんな役者か見に来たと言いました。菊之丞は笑顔で招き入れます。
会長は、割れた盃に、余り物を寄せ集めた酒を入れ、拾ってきたようなちくわを差し出します。菊之丞はそれを有り難くいただきましたが、二人の弟子は呆れ果て、大坂に帰ると言いだしました。
しかし、出て行った二人が中村座の前を通りかかると……。
ということで、応援してくれる客に貴賤はなく皆ありがたいというような科白があったりと、役者の心構えがたっぷりと伝わってくるお芝居でした。
が! 大川良太郎座長がボケまくって、とにかく爆笑につぐ爆笑の、すごく面白いお芝居になっていました。痺れた手で変な動きをしてみたり、ズタ袋に手を入れたら今度は頭が震えたり、出てきた手の指にちくわが三本ささっていたりw 大心さんと空也さんにもからみまくって、とにかく笑いっぱなしでした。負けじと突っ込む空也さんも偉かった! 最後にはもらったちくわを食べきって自分でも笑いを取っていたし。
それにしても私は笑いすぎて涙が出て、お芝居が終わったときにはほぼスッピンになっていましたよw
そして、舞踊ショーです!
かわいいバージョンの大空座長。私はこれでいったん見納めです。来年も来るとは言ってくれなかったなあ、どうなんでしょう。
良太郎座長のこの衣装は凄かった!
後ろから見るとこんな感じで、まるで鋼鉄のうろこのある生き物のようですね。最初は仮面を被っていたんですが、その仮面もちょっとだけ顔が見えるようになっていて、かっこよかったです。
蘭丸さんのは曲もダンスもめっちゃかっこよかった! 大空座長が、うちの妹は誰も知らない変な曲ばっかり見つけてくると前に言ってましたが、いや、かっこいいですってw
二人の座長の相舞踊は本当に素敵でした。曲は『花城(はなぐすく)』です。
冨士川南音座長の太鼓の演奏は迫力でした。太鼓で有名な方なので、一度は観たいと思っていたんですよね。さすがに凄かったです!
宝海劇団メンバーの群舞もありました!
三代目さんはヒップホップで、超かっこいいダンスを。いったい何曲、レパートリーがあるんだろう。すごいですよね。10年後ぐらいには女性客にキャーキャー言われるようになるのはかな。待ち遠しいw
大空座長は刀をぐるぐる振りまわし……
銀の棒も振りまわして、片手で側転もしていました! ちなみに、この銀の棒は冨士川南音座長に作ってもらっているのだとか。ほかの人には作れないけど、材料はコーナンだとか??
そして、ラストショーは『雪散華(ゆきざんげ)』でした。
決まってますねえ。
ゲストがいるから珍しく(?)普通のラストショーだったのが、逆に新鮮でしたw
ラストショーのあとのトークでは、良太郎座長と三代目さんのからみも。良太郎座長は行った先々の子どもと仲良くなりますねえ。
さらにそのあとも良太郎座長はサービス精神たっぷりでした!
最後に大空座長が一人で踊って締めるところも、今日は良太郎座長が一緒に。
それにしても、後ろの幕がかっこよすぎるんですけど♪
ということで、たっぷり楽しませてもらいました。