大衆演劇☆観劇の記録

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49回めの観劇 新風プロジェクト『人間失格』 篠原演芸場 劇団美松

 これは発表されたとき驚きました。あの太宰治の『人間失格』ですって?! 大衆演劇で? 攻めすぎでしょう。 女性客が好きそうな話でもなく、ゲストが女性声優さん二人? しかも2日連続の4公演で、チケット価格もふだんの新風プロジェクトより高め。いや、やり過ぎだって。これはもうどうなることか、行って自分の目で確かめるしかない!!

 ということで行ってきましたw

 

 ちなみに、予約前に調べたけれど、情報がなかったのでちょこっと詳しく書いておきます。私は2月26日にローソンチケットで購入しました。4,830円(チケット4,500円+システム使用料220円+店頭発券手数料110円)でした。

 

 ローソンチケットで予約できる席は、座椅子席の3列目から7列目まで(一部の席を除く)+桟敷席の2列目と6列目でした。

 自分で選ぶことはできず、予約順に前から埋めていったみたいです。3列目の真ん中あたりの席は抜かれていたので、全席がまあまあの席ってところでしょうか。売れ残った6列目、7列目あたりの席はたぶん当日券になったと思います。

 

 3月1日に篠原演芸場へ行けば、4000円で、前のほうの席とか、椅子席とか選んで予約できたみたいなんですが、私はその日、三吉演芸場に予約を入れてしまっていたんですよね。

 で、一番できがいいと思われる4回目(2日目の夜の部)の公演を選びましたが、やはり皆さん考えることは同じなのか、この回が一番早く三角マークになっていました。

 

 ちなみに、ローソンチケットでは2階席の予約もあって、3,500円+αでした。こちらは最前列のみ12席で、早めに売り切れていました。

 

 1階席はローチケ予約だと特典付きということで、ポスターデザインのクリアホルダーかなぁと予想したら、その通りでしたw

 持ち帰るときにちょっとくにゃっとしたけど、クリアホルダー専用ファイルに入れておいたので、次見たときにはシャキッとしているはずw

 

 そして、入場後、裏表にこのような印刷がされている紙をもらいました。

 

 またいつかやる可能性は高いので書いておきますが、やっぱり小説は読んでから行ったほうがいいと思います。途中から、小説『人間失格』と太宰治(本名:津島修治)の人生が交錯しながら進んでいくので、小説を読んでおかないと、どこでどう変化したか、わかりづらいんじゃないかなと。

 私も中学生の頃?に一度読んだきりだったので、観劇前にあわてて読み返しましたw

 

 壁には登場人物表が貼られていました。書き足しますと、こんな感じです。

松川小祐司座長:太宰治 (本名:津島修治)

金子有希さん:バーのマダム、山崎富栄(太宰治と入水自殺をした女性)

玉城仁菜さん:ツネ子、田辺あつみ(太宰治と入水自殺をして一人だけ死んだ女性)

橘鈴丸座長:大庭葉蔵(小説『人間失格』の主人公)

一見好太郎座長:脳病院の医師

澤村蓮座長:堀木(小説『人間失格』で大庭葉蔵の悪友)

瀬川伸太郎さん:志賀直哉太宰治の先輩の作家)

藤川雷矢さん:三島由紀夫太宰治の後輩の作家)

美月流星さん:ヒラメ(小説『人間失格』で大庭葉蔵の監視役)

菊小鈴さん:シズ子、太田静子(作家志望の太宰の愛人。『斜陽』のモデル)

市川華丸さん:ヨシ子、小山初代(太宰治と同棲。太宰治と自殺を図るが未遂)

藤川真矢さん:小山初代と密通していた画学生

大和歩夢副座長:太宰治担当の編集者

南雄哉さん:太宰治担当の編集者

龍錦さん:太宰治担当の編集者

※役名が2つある方は、前が『人間失格』の登場人物名です。

 

 そして、舞台はこんな感じでした。なぜかお芝居がはじまる前から開けっぱなしだったので写真を撮ることができたのですが、

左(下手):ベッドが置いてあって、脳病院で太宰治が医師と話をする。

中央:バー。カウンターの中にマダムがいて、さまざまな客が来て太宰治について話す。

右(上手):太宰治の書斎。

 となっていて、幕を閉じてセットを取り替えなくても、そのまま次々と場面が変わって、話が進んでいきました。

 

 途中でこの幕だけは下りてきましたが、この幕も真ん中のところが開いて、人が登場したりしていました。

 ちなみに、この写真は舞踊ショーでのものですが、松川小祐司座長の帯の下のところには「人間失格」の文字が!

 

 それでは、あらすじを簡単に紹介しますね。

 自殺を図って死に損なった太宰治が脳病院に運び込まれます。太宰治は何度も女性と自殺を図っていました。そのなかには、死んでしまった女性もいます。

 太宰治はファミナール(鎮痛剤)中毒でした。小説を書きたいのに書けない苦しさから、薬に頼るようになってしまっていたのです。

 

 編集者たちは陰で、太宰治はしょせん剽窃作家だと言います。『斜陽』は太田静子の日記を書き写したものだし、ほかの小説も同じように、ほかの人から盗んだものだと。

 

 太宰治はある日、バーのマダムに3枚の写真と数冊のノートを渡されます。写真を見て興味を覚えた太宰はノートを読みます。そこには写真で見た大庭葉蔵の私小説が書かれていました。

 自分とよく似た人生、自分が書きたかった小説。太宰治は、自分こそが大庭葉蔵だと思い込み、ついにはノートを取り返しに来た大庭葉蔵を……。

 

松川小祐司座長

 ということで、シズ子と小説『人間失格』そのままの会話をしていたら、急にシズ子が太田静子になったり、堀木とヨシ子と小説そのままの出来事が進んでいったところで、突然、小山初代と密通していた画学生が登場したりと、大庭葉蔵の物語と太宰治の人生が交錯していくさまが見事でした。

 

 最初のうち、いや、『人間失格』は太宰治の人生が色濃く反映されているから、これを剽窃とするのは無理があるでしょ~と思っていたのですが、なるほどこう来たかという展開でしたね。

 

 個人的には、小説『人間失格』のラストのマダムの科白「私たちの知っている葉ちゃんは、とても素直で、よく気がきいて、あれでお酒さえ飲まなければ、いいえ、飲んでも、……神様みたいないい子でした」は絶対残してほしいなあと思っていたのですが、これはいい感じに残してくれていて鳥肌ものでした!

 それにしても、松川小祐司座長をはじめ、皆さん熱演でしたね。見応えがあって、素晴らしかったです。

 

 そして、お芝居のあとは舞踊ショーでした。

市川華丸さん、龍錦さん、南雄哉さん、藤川真矢さん

 先に劇団美松の皆様を。まずは劇団美松の4人で!

 なぜか最後、わちゃわちゃしてましたw

 

大和歩夢副座長

 帯におもしろい文章が書かれていました。「男の道を外すとも 女の道を外すとも 外しちゃならないゲイの道」だそうですw

 

市川華丸さん

 そろそろ華丸さんの違う感じの舞踊も観たいような。

 

藤川真矢さん

 これはとっても華やかな衣装でした♪ 舞踊も伸びやかで素敵です。

 

龍錦さん

 これはかわいい曲で、かわいい振り付けなのに、地味めの髪型と着物でちょっと残念だったかな。かわいい髪型にかわいい衣装で、カラフルな照明を当ててほしかったかも。あ、メイクも明るくねw

 

南雄哉さん

大和歩夢副座長、南雄哉さん、市川華丸さんは着物は揃えていたのかな。形が違うけど、赤系の花柄でした。

 

藤川雷矢さん

 雷矢さんは暗い写真しか撮れなかった。この日は全体に照明が暗かったかも。私のようにスマホのカメラのボタン押すだけの人には厳しいw

 

松川さなえ太夫

 これは「かっこいい!」の声が。この方あっての劇団美松ですよね。

 

松川小祐司座長、橘鈴丸座長(橘小竜丸劇団 鈴組)

 お芝居のときとはガラリと変わって、笑顔いっぱいの両座長です♪

 新風の丸に収まって、ロゴマークみたいなw

 

橘鈴丸座長、澤村蓮座長、一見好太郎座長、松川小祐司座長

 そこに澤村蓮座長と一見好太郎座長が加わって、二度と見られないかもしれない四人座長のフォーショット♪

 

菊小鈴さん

 小さくて、とっても可愛い方でした♪

 

美月流星さん

 帯の後ろがすごく素敵で、写真を撮ろうとしたんだけど、撮り損なってしまったw

 

瀬川伸太郎さん

 お芝居では志賀直哉、舞踊では悲しげな女性。そこまではふざけられなかったので、最後の挨拶でボケまくっていましたw

 

橘鈴丸座長

 ご挨拶の時、美大に行って漫画家になろうかと思っていたというお話をしていました。際だって高い美意識はそこから来ていたんですね、納得です。

 

一見好太郎座長(一見劇団)

 豪華な衣装でした。華やかですねえ。一見劇団も観てみたいです。

 

澤村蓮座長(劇団章劇)

 こちらも春らしくて素敵なお着物でした♪ 今日は瀬川伸太郎さんを差し置いて、自分が前に出てボケる場面もw

 

 そして、ラストショーは松川小祐司座長の三味線から!

 そのあと、皆さんが出てきて、豪華な舞踊に!

 人数多いから、全員写すと橫に細長くなっちゃいますねw

 

集合写真

 ということで、楽しかったけど、篠原演芸場はやっぱり遠かったw