66回めの観劇 三吉演芸場 たつみ演劇BOX『勘太郎夢枕』 ラストショー『花』
三吉演芸場にたつみ演劇BOXの公演を観に行ってきました!
2部構成なのでいきなりですが、お芝居は『勘太郎夢枕』でした。
こちらは小泉たつみ座長が口上でお話ししてましたが、もともとは商業演劇のために書かれた『勘八夢枕』という脚本で、それを何か事情があってやれなくなったので大衆演劇でやってみないかと、先代の小泉のぼる座長のときに話が来たそうです。
で、話があまりにも暗かったので大衆演劇向きに変えて、主人公も「かんぱち」じゃ様にならないので、勘太郎に変えたのだとか。そこから繰り返すうちに磨かれていったんでしょうね、もともとが暗い話だったとはまったくわからないような、よいお話に仕上がっていました。
それでは、舞踊ショーの写真とともにあらすじの紹介をしていきますね(わからない名前の漢字は適当に当てはめています)。
勘太郎はあの瀬川菊之丞の下座をつとめるほどの腕を持つ三味線弾きですが、今は訳あって江戸を出て、旅をしています。
船着き場へ行くと、最後の舟がすでに出たあとでした。下流の船着き場ならまだ舟があると言われ、歩いているところを大きな野犬に追われました。
逃げ延びて着いたのは、ひどく荒れ果てたボロ寺でした。そこに酒があるのでつい飲んでしまうと、帰ってきた住職に見咎められました。
しかし、住職はたいして怒りもせず、ここで待っていれば船着き場から知らせが来る、それまで一緒に酒を飲もうと勘太郎を誘いました。
酒のつまみがなかったので、二人は怪談話をして、それをつまみとすることにしました。
住職は寺の二階で首をくくった男女のことを話しました。その二人が霊として出るようになってから、檀家が減って、このような荒れた寺になったと言うのです。
それはもしかして、お吉と六三郎ではないかと思いましたが、違いました。勘太郎はその二人を追って旅をしていたのです。勘太郎は旅の荷物として三味線のほかに、お吉の着物も持っていました。
村から人が死んだと知らせが来て、住職は出かけることになりました。そこに親分と子分らしき男たちがやって来ました。なんと親分らしき男は一両小判をお布施として置いていきました。
住職は喜び、帰りに鰻を買ってくるから、それまで寝て待っていろと勘太郎に言いました。
勘太郎が寝ていると、誰も居ないはずの寺から若い男女が出てきました。男は塩沢又之丞といい、説教芝居の人形遣いで、女はお佐衣という名でした。
二人は舟を待っていたと言いますが、どうも訳ありの様子でした。駆け落ちだなとピンと来た勘太郎が責め立てると、二人はどこかへ行ってしまいました。
目が覚めてしまった勘太郎が三味線を弾いていると、先ほどの親分と子分らしき男たちが戻ってきました。
若い男女がどこへ行ったか知らないかと聞かれて、勘太郎はすぐに、あっちだと指を差しました。自分のこともあって、駆け落ちが許せなかったからです。勘太郎は礼として、一両もらうことができました。
又之丞とお佐衣は捕らえられてしまいます。
実は親分らしき男は、日光円蔵(にっこうのえんぞう)でした。円蔵といえば、国定忠治の軍事と言われた男です。
話を聞くうちに、お佐衣は国定忠治に身請けしてもらった妾で、又之丞は国定忠治に贔屓にしてもらっていた芸人だとわかりました。そんな二人が国定忠治を裏切って駆け落ちをするなんて許せないと勘太郎は怒ります。
ところが、あとからやって来た国定忠治は、又之丞だけを殺し、お佐衣は連れて帰って三ヶ月ほど経ったあと、金をつけて堅気に嫁がせると言いました。そうしないと自分の顔が立たないというのです。
これに納得できない勘太郎は、なぜだか三味線のバチで国定忠治を簡単に斬り殺してしまいます。そして、襲いかかってきた円蔵や子分たちまでバッタバッタと斬り捨ててしまいました。そんな腕などないはずなのに……。
ということで、最後は勘太郎の悩みまで、すべてがきれいに収まるお話でした。最後に同じ着物を着たお吉が現れるところも見事でした。たつみ演劇BOXは、そういう演出が上手いですよねぇ。
ほかにも、ダイヤ座長のまじな怪談話とか、辰巳花さんが愛飢男さんをどついてすごい音がしたりとかw、ダイヤ座長とたつみ座長の掛け合いとか、観る楽しみがたくさん詰まったお芝居だったのですが、やっぱり圧巻は、最後のダイヤ座長の三味線ですね。私にとっては去年の『不知火検校』以来、2度目の三味線演奏なのですが、とにかく上手いし、弾いている指が綺麗! これだけでも観る価値ありです!!
そして、舞踊ショーです♪
まずはダイヤ座長を中心として華やかに!
そして、私の好きな女形ですが、ライト座長は笠を持っての舞踊でした♪
たつみ座長は切なく、美しく。
そしてそして、ダイヤ座長のこちら、痺れました! 『津軽海峡・冬景色』のバージョンを変えた曲とともに登場ですが、なんと、眼鏡とマフラー!! 立役のときの踊りでの眼鏡とマフラーはたまに見かけますが、女形で見るのは初めて。素敵すぎますっ。
眼鏡を外して……
マフラーを外して。良いです~♪
全員を写すことができなかったのですが、たつみ座長を中心としたこちらの群舞はおもしろかったです。女優さんたちの酔っ払った状態が楽しすぎるw
あと、こちらはライト花形のフードを外す前なんですが、この方、去年見たときとは別人のように自信に満ちたご様子で、色気もあって華もあるんですよね。なにかいいきっかけがあったのかな。
この日の座長お二人の相舞踊は『紅い雪』でした。素敵ですよね♪
そして、ラストショーは『花』でした! まずはお二人で。
それからみんなで。最後は花びらが舞いました。とても美しく幻想的でした~♪
あと、こんなチラシが置いてありましたよってことで。