31回めの観劇 三吉演芸場 たつみ演劇BOX ゲスト・大川良太郎座長『上州三盗伝』 ラストショー『宙船』
三吉演芸場にたつみ演劇BOXを観に行ってきました。
今日は劇団九州男の大川良太郎座長がゲストで、昼の部は大入りどころかお客さんが来すぎて札止めになってしまったそうで、夜の部も席はほぼ埋まって大入りが出ました! むこうの劇場がお休みだったそうですが、日曜日に大川良太郎座長がゲストって破壊力がありすぎたかもw
夜の部はミニショーから始まりました。
姉弟三人での舞踊は初めて観ました! なんだか、お得感がありますねえ。
お芝居は『上州三盗伝』でした。
これは『安中草三』(別題名あり)という長い長い話に草三と白蔵という実在した二人の人物が出てくるそうですが、その二人にもう一人足して三人にして、大衆演劇用に作った別の話のようですね(真偽不明)。
だいぶ前に作られたようで、口上のときにたつみ座長が、自分たちが子どもの頃、すでに昔の篠原演芸場でお父様たちがやっていたと話していました。
では、あらすじです。
御家徳(ごけとく 御家人と名前を合わせた略)とその子分、安中草三(あんなかそうざ 地名と草三郎を合わせた略)と妙義の白蔵(みょうぎのしろぞう 妙義山と名前かな)の三人は、牢破りをして逃げ延びました。
御家徳は侍だったこともあり、めっぽう強い。白蔵は御家徳には従順ですが、とても残酷で、鍵を奪うだけでいいのに牢番を殺してしまい、金を盗るだけでいいのに、ボロ家に住んでいた女性を殺してしまいました。
草三はそんな白蔵に嫌気がさして、仲間から抜けたいと言いだしました。
御家徳はそれを理解して、別の道を歩むことを許しましたが、白蔵は草三のあとをつけ、崖から突き落としてしまいました。
仲間だった草三まで手に掛ける白蔵が恐ろしくなり、御家徳は白蔵と縁を切って逃げ去りました。
三年後、草三は峠の茶屋の主人に助けられて、命を取り留めていました。梅吉と偽名を使ってそのまま世話になり、茶屋の娘、お道と結婚しました。義父となった恩人は亡くなって、その永代供養のために、真面目に働いて五両ものお金を貯めました。
茶屋に「薬の十条屋」と書かれた箱を背負った男が二人、客として訪れました。実はこの二人、御家徳の子分でした。あとからやって来た御家徳は旅の僧侶のような姿をしていました。
御家徳は草三に、お金をくれと言いました。草三が断ると、永代供養のために貯めた五両があるだろうと言います。先に来ていた子分たちが話を聞いていたのです。
お道にも訪ねてきた人がいました。白蔵とその子分、赤岩の音松です。なんと白蔵はお道の兄で、白蔵の悪評のために町を追われ、こんな人里離れたところで父親と茶屋をやっていたのです。
梅吉は自分が草三であることを隠していた、お道は兄が白蔵であることを隠していた、白蔵が現れたことで、そんな互いの秘密がわかってしまいます。
親不孝を後悔していた白蔵は、父親の永代供養のお金を守るため、そして、妹と草三の幸せを守るため、音松を連れて、御家徳に会いに行きました。
しかし、御家徳はめっぽう強く、子分たちもいるのに、白蔵たちは二人だけで、どうなってしまうのか……。
ということで、お話としては、三年経って御家徳と白蔵の善悪が逆転したようになるところがおもしろかったですね。立場の違いというだけで、元はどっちも悪人ということになるのでしょうが、人というのはわからないものですねえ。
そして、たつみ座長と良太郎座長の立回りに迫力があり、石や葉が落ちてくる演出などの工夫があって、本当に見応えがありました! 最初の場面の白蔵が怖すぎて、どうなることかと思いましたがw
そして、舞踊ショーです。いつものようにお三人の女形から。
今日は本当にきれいでしたー。途中から激しくなる舞踊も素晴らしかったし。お客さんが多いと気合いが違いますね、やっぱり。
たつみ座長はしっとりと。
ライトさんが出てきたときに、良太郎座長目当てのお客さん?たちが、「あら、かわいい子がいるのねえ」なんて囁き合っていましたw
で、残念ながら、良太郎座長の女形はありませんでした。ゲストのときは女形をやらないって決めてるのかなあ。知らなかったので、良太郎座長の女形の写真が撮れると張り切っていたのですが……。劇団九州男は撮影禁止なんですよね。
そして、これ! 小龍さんが抱いている猫は『不知火検校』で、猫のおはん役の小龍さんが抱いていたもので、手を入れて動かしていたのですが、本物の猫っぽい動きがとても印象的でした。また見られるとは!!
ライトさんの舞踊も今日は凄かった! 激しく、速く、踊りまくってました。これは着物の下に幅広な黒のパンツを穿いていました。
客席を歩く舞踊が2つあったんですが、1つはこちら、ダイヤ座長です。
こりゃもう、きゃーっ、ですよね。
あいだに愛飢男さんを挟みます。上から「さあ、現実に戻りましょう!」と声があって、お客さんが爆笑でした。
そして、2つめは良太郎座長です。舞台に上がると、本からは花びらが舞い、手を使わずに仮面をつけたり、外したりと演出がありました。
良太郎座長の正面の顔があまり上手に撮れなかったのですが、こんな楽しい群舞がありました。
これはもう大盛り上がり間違いないですよね。
そして、ラストショーは『宙船』でした。
ここでもまた三人が並んで、大盛り上がりでした!!
ということで、今年の一月に本物の大川良太郎座長を見たくて初めて三吉演芸場に行き、私が行かない日にゲストで来た小泉たつみ座長のブログを見て、ほかの劇団も観てみようかなと思いはじめて今に至る私としては感無量でございました。