33回めの観劇 三吉演芸場 たつみ演劇BOX ゲスト・咲良綺蝶ニさん 『明暗旅合羽』 ラストショー『呑めや歌えや』
三吉演芸場にたつみ演劇BOXを観に行ってきました。
私は今月、これが最後です。1回目に行ったときに前売り券を10枚買ったので、合計11回の観劇でした。買いすぎたかなw
で、今日は咲良綺蝶ニさんがゲストでした。このお名前、観劇歴の浅い私でさえ、もう何度聞いたことか。
二本の指を交差させるのがトレードマークになっているみたいで、お芝居の最中に、「あ、指が咲良綺蝶ニさんみたいになっちゃった」と誰かが言えば、もうそこからは全員が何度もそのポーズをやって、蝶ニさん、蝶ニさん、と大盛り上がり。ラストショーのあとで、何月何日はこの方がゲスト、と名前は言わず、指だけで咲良綺蝶ニさんポーズをやれば、また全員がやりはじめて大盛り上がり。
という感じで、何度、この方で盛り上がるのを見たことか。とにかく、関西の劇団の方々には大人気のようで、ずっと気になっていました。
でも、その前にミニショーからです。
本当はこれがミニショーのラストでした。いなせですねぇ。
こちらが最初でした。こちらもいなせですねぇ。
私が好きな髪型! 色もいいですよね。後ろがすごく素敵なんですが、写真撮ってなかったw
そして、お芝居は『明暗旅合羽』でした。演目が差し替えになって、喜劇を楽しみにしていた私はガッカリしそうになったのですが、こちらも物凄くおもしろくて、まったく問題ありませんでした。
とはいえ、『明暗旅合羽』はもともと戦前の無声映画で、それは喜劇ではなかったみたいです。ほかの劇団でも同じ題名でやっているみたいですが、とにかく古いお話なので、どこの劇団でもかなりアレンジが加わって、別物みたいに話が違っているみたいですね。
では、あらすじを。
貸元(丁半賭博場の経営者)の赤っ鼻権兵衛(あかっぱな ごんべえ)は五十歳にして、相之川組の組長おふさの十九歳の長女、おまちに恋をしてしまいました。
これが初めての恋なので、なんとしてでも成就させて結婚まで持って行きたいのですが、赤っ鼻と相之川組は対立しているので、作戦を立てる必要がありました。
暗くなってからおまちが寺へ行くことを知り、用心棒と子分たちに待ち伏せをさせました。襲いかからせて、自分が助ける、それで惚れさせるつもりだが、惚れなくても命の恩人だからと結婚してもらう、という作戦です。
用心棒や子分たちがただで殴られるのもかわいそうだから、赤っ鼻に殴られたら一分銀、蹴られたら二分銀、平手で叩かれたら二朱銀、男の大事なところを蹴られたら二両、片方なら一両あげると約束しました。
ようやく、おまちがやって来ましたが、母親のおふさも一緒でした。提灯の火を消して襲いかかる用心棒と子分たちは、うっかりおふさを斬ってしまいます。おふさはけがを負いました。
そこに、辻堂で寝ていた男が飛び出してきて、おふさとおまちを助けようとします。用心棒と子分たちは真っ暗なので男を赤っ鼻と勘違いして、近づいては、蹴ってくれ、殴ってくれと頼みます。
なにかおかしいと思いながらも暴漢を撃退した男は、自分は名無しの権兵衛だと名乗りました。おふさは名無しの権兵衛を自分の家に招待しました。
そこにはおまちの妹もいました。妹は目が見えないのですが、初めて会った名無しの権兵衛に落としたかんざしをあげて、恋心を伝えます。でも、名無しの権兵衛はまったく気づきませんでした。
名無しの権兵衛はおまちと結婚して組長になろうと考えますが、おまちは組の若い衆の政吉と結婚の約束をしていました。
政吉はおふさが斬られたことに腹を立て、たった一人で赤っ鼻のところへ殴り込みに行きます。政吉を助けてほしいおまちは、政吉を助け出してくれたら結婚すると名無しの権兵衛に約束してしまいます。
ということで、大立ち回りがあって、その後はハッピーエンドとなるのですが、本当にめちゃくちゃおもしろかったです。お話の筋じゃなくて、脱線したところが!
赤っ鼻の親分の咲良綺蝶ニさんは、なぜか鼻を紫色に白い点々で塗っていて、もみあげは白くて後ろまで続き、歯も何本か抜けているように黒く塗って、眉も目もおもしろメイクにしていて、登場したときから爆笑だったのですが、話しはじめたらもっと面白かったです! 柔らかく、やさしく、わりとゆっくりめに話すのですが、内容はぶっ飛んでて、不思議なギャグを連発して。なんでしょうね、テレビでもお芝居でも見たことがないようなタイプで、本当に新鮮で笑いが止まりませんでした。
しかも、いつもならたつみ座長が面白いことを言っても、ほかの人たちが言い返せなくて終わりになるのですが、咲良綺蝶ニさんとだとちゃんと掛け合いができて、二倍も三倍も面白くなっていました。やっぱりアドリブを言える人と返せる人がセットになっていると面白さが違いますね! ツボに入りまくりで笑いすぎて涙が止まりませんでしたw
咲良綺蝶ニさんがゲストで喜劇のときは、絶対行ったほうがいいかもしれません。
そして、舞踊ショーです。
女優陣の群舞から始まりました!
なんだか上手く撮れませんでした。普段が上手いという意味ではなくw
たつみ座長はなんだか、いつもより可愛らしく撮れた気が。でも、せっかくの豪華なかんざしがあんまり見えませんね。
咲良綺蝶ニさんは女形も立役も舞踊では渋めでした。
そして、こちら! 衣装も、前髪に挿したかんざしも、振り付けも、なにもかもが可愛くて素敵でした!!
両座長の舞踊はしっとりと。
こちらは赤い着物の袖に鯉、袴にはモミジの刺繍がしてあって、豪華なのに今の時季しか着られない贅沢さですね! 舞踊もかっこよかったです。
これはかわいかったー! 「未来少年コナン」を連想してしまいました。和風のコナンとラナですね。
こちらはふわっと軽やかな衣装でした。模様も素敵だし、髪と衣裳のグリーンがまたきれいで、見とれてしまいます。
そしてそして、こちらは驚きました。ダイヤ座長の歌唱です。前にたつみ座長が歌う日に当たったことがあるのですが、ダイヤ座長は初めてでした。お芝居のときも朗々とよく通るお声ですが、歌でもその声が生かされて、聴きごたえがありました。
でも、驚いたのはそのあとで、すぐに引っ込まないで残ってお話してました! これまで、たつみ座長がなにかボケると、瞬時にツッコむというのは見てきましたが、ご自分から話題を振ったことは一度もなくて、返事やツッコミや挨拶じゃなくご自分で話すのは初めて見ました。しかも一人で! ちなみに、歌うときはお客様のペンライトを必ず数えるというお話でしたw
ラストショーは『呑めや歌えや』でした。
両座長の頬にはキスマークがついていて、まさに呑めや歌えやの明るく楽しい舞踊でした。
ということで、ペースを落としてまた観劇を続けまするっ。