26回めの観劇 三吉演芸場 たつみ演劇BOX 『おたつ恋簪』 ラストショー『クリミナル』
三吉演芸場にたつみ演劇BOXを観に行ってきました。
お芝居は『おたつ恋簪』、ラストショーは『クリミナル』でした。
まずは芝居の『おたつ恋簪(こいかんざし)』です。
こちらは辰巳小龍さんを筆頭に、女優陣が活躍するお芝居でした。もとは藤山寛美の松竹新喜劇『銀のかんざし』ですね。
では、名前の漢字を適当に当てはめたりしながら、あらすじを紹介。
長屋で井戸替えが行われています。
井戸職人に来てもらって井戸の水を抜き、井戸の底に落ちているゴミなどを取ってもらっています。すると、井戸の底から銀の簪(かんざし)が見つかりました。
女髪結いのおたつさんのものではないか、と長屋の人たちは話しています。
そこに、おたつと一緒に住んでいる幸之助(こうのすけ)がやって来ます。幸之助は女物の着物を着て、赤い腰紐のようなもので、たすき掛けをしています。
井戸替えは長屋のみんなでやるものなのに、どうして今まで来なかったのか、どうしてそんな変な格好をしているのだ、と幸之助は責められます。
じつは、おたつは幸之助よりだいぶ年上なのですが、ひどい焼き餅焼きで、外へ出ると浮気をするのではないかと心配して、これなら浮気できないだろうと、幸之助に自分の着物を着せて、ようやく外に出してくれたのでした。
銀の簪は以前、幸之助がおたつに贈ったものでした。それがなぜ井戸の底に落ちていたかといえば、幸之助の浮気を疑って、おたつが簪を振りまわして追いかけていたときに、落としてしまったらしいのです。
おたつは情は深いが、気性が荒く、とにかく幸之助にベタ惚れでした。
もともと幸之助は腕のいい大工で、大松組(だいまつぐみ)というところで働いていたのですが、おたつのために仕事に支障をきたして、おたつと別れるまで仕事をさせないと言われ、今は働いていません。
家主さんがやって来て、幸之助の母親が来ていると言います。しかし、おたつと別れるように説得しに来たに違いないと、おたつは幸之助を引き留めて、母親と会わせようとしません。
ようやく家に戻っても、おたつは客を待たせて、幸之助の世話ばかり焼いています。客の髪を結うときも、幸之助が鏡に映っていないと心配だからと、鏡の向きを変えてしまいます。
これではお客は減っていくばかりです。
お金はたんまりある、自分が働いて幸之助を食べさせるから心配はいらない、将来は幸之助に事業をやらせるつもりだとおたつは言いますが、だれがどう見ても、このままではいずれ立ち行かなくなりそうです。
そんなとき、梳き子(髪結いの助手)のおみつの父親が訪ねてきて、二人にある提案をします。それは二人の生活を立て直すための提案でしたが、そこには裏があるようで……。
ということで、最初から最後までおたつの気性の激しさにハラハラしながらも、すごくまとまりのいいお話でした。
雨降って地固まる、という感じのハッピーエンドで、人も死なないし、最後にはほっこりした気持ちになりました。
最初に出た銀の簪が最後のほうで意外な形で登場したのもおもしろくて、ダイヤ座長は役にぴったりだし、家主さん役の辰巳座長のおふざけぶりにも笑わせてもらいました。
そして、なんと言っても女優の方たちがよかったですねぇ。辰巳小龍さんは勝ち気だけど一途なおたつさんそのもので、酔った演技などの見せ場もありました。
もも役の辰巳萌萌さんは表情の作り方がおもしろくて、目を惹きました。おみつ役の辰巳満月さんの慌てっぷりもおもしろくて、二人でドタバタしているのがかわいかったです。
お客さんで登場した辰巳花さんも、ひどい目に遭わされつつ負けてないのがいいですね、笑わせてもらいました。
そして、最後に母親役で出てきた辰巳龍子さん、きれいですよねー。舞踊ショーに出ていらっしゃらないので写真がないのですが、顔立ちが整っているというだけでなく、美人オーラが全身から出まくってました!
お芝居のあとの口上では辰巳座長が、いつのまにか髪の毛が減っていた家主さんのお姿でw
そして、舞踊ショーです。まずは三人の女形を。
たつみ座長のこのお着物は豪華で、とってもきれいでした。
ダイヤ座長のこのお着物は、葡萄とワインの模様です。洒落てますね。
ライトさんの総絞り(風?)の振り袖はかわいかったです。
打って変わって、こっちは渋めでした。
皆さんが大好きな愛飢男さんも踊ってましたよw
座長お二人のこの踊りは本当にきれいでした!
前後入れ替わっても、きれいですー!!
そして、そして……。
辰巳座長のこの衣装が超きれいでしたー!!
照明が当たると、眩いばかりに輝いていました。
中の着物は全身キラキラでした。
外の羽織は、龍のウロコがキラキラでした。
そして、ラストショーは『クリミナル』です。
まずはいきなり、二人の座長が出てきて踊り始めます。
このパターンって珍しいような。
ちょっと歌舞伎の要素も入っているような、すごく迫力のある踊りでした。
しばらく二人で踊ったあとに、ほかの人たちがで来るのですが、二人の踊りはぴったり息が合っていて、さすがです。
みんなで踊り始めてからも複雑で、大変そうでしたが、ぴったり合っていました。
そうとう練習しているんでしょうね。
最後に辰巳小龍さん、小泉ライトさんが赤い衣装で加わって、さらに激しい群舞で、圧倒されるやら、鳥肌がたつやら。凄かったです。
連休明けでもこれほどのものを見せてくれるなんて、さすがたつみ演劇BOXですよね。今日も中身が濃かったです、満足っ。