28回めの観劇 三吉演芸場 たつみ演劇BOX 『花競べ』 ラストショー『乱の舟唄』
三吉演芸場にたつみ演劇BOXを観に行ってきました。
お芝居は『花競べ』、ラストショーは『乱の舟唄』でした。
まずはお芝居から。実はこれ、楽しみにしていたんですよ。男女逆転劇なんです! 男優さんはみんな女性の役、女優さんはみんな男性の役ということで、面白くないはずがないでしょ!!
お話のもととなっているのは、為永春水という江戸後期の作者が書いた『春色児梅誉美』(しゅんしょくうめごよみ)で、歌舞伎にもなっているそうです。歌舞伎の題名は、『梅ごよみ』『梅暦』『春色梅ごよみ』『春色辰巳園(しゅんしょく たつみのその)』などになります。
では、舞踊ショーの画像とともに、『花競べ』のあらすじ紹介です。漢字は一部、適当に当てはめています。
蝶次郎がお百合と再会しました。
蝶次郎は武家に生まれたが勘当され、紅花屋という置屋の養子になりましたが、そこも嫌になって飛び出していました。
お百合はその紅花屋の娘で、蝶次郎の義理の妹ということになります。聞けば、お百合もまた家業に嫌気がさして、紅花屋から出てしまったようです。
そこに、小舟で通りかかった辰巳芸者の梅八。
梅八は紅花屋を出たあとの蝶次郎の面倒を見て、今は一緒に暮らす仲でした。梅八はお百合が蝶次郎に気があるとすぐに察して、引っ越しの話などをして蝶次郎との仲をお百合にアピールします。
小舟でお百合を送っていくことにした蝶次郎。少し離れた船から、菊次がその様子を見ていました。
菊次は梅八と一、二を争う人気の辰巳芸者です。蝶次郎が梅八の恋人だと知りながら、一目惚れしてしまった菊次は、蝶次郎に羽織を贈ることにしました。
蝶次郎のもとに、畠山武三郎が訪ねてきます。
畠山家は身分の高い武家ですが、家宝『残月の茶入れ』を盗まれたため、取り戻すことができなければ、武三郎は切腹しなければなりません。
盗賊は侍と町人の二人組だったと言います。武三郎に頼まれ、蝶次郎は犯人と残月の茶入れを探す捜査を始めました。
骨董品の売買をしているさくらは、紅花屋の番頭、松兵衛に『残月の茶入れ』を買ってくれないかと言われ、蝶次郎に知らせました。
一方、菊次は杉野花粉太(すぎの かふんた)という侍が『残月の茶入れ』を持っていることを突きとめ、蝶次郎のために色じかけで取り上げようとします。
どうやら松兵衛と杉野花粉太が盗賊の正体のようですが、果たしてどちらの『残月の茶入れ』が本物なのでしょうか。
そんな捜索の一方で、菊次が蝶次郎に羽織を贈り、梅八がその羽織を踏みつけて、大喧嘩になってしまいます。
そんな二人のあいだに、お藤が割って入って止めます。お藤は辰巳芸者の大先輩で、深川の顔役ともなっていました。そんなお藤に逆らえず、二人は喧嘩を止めますが、せっかく贈った羽織を台無しにされた菊次には、梅八への恨みが残りました。
さらにお藤は蝶次郎に、『残月の茶入れ』をぶじに取り戻し、その功績で、武家に戻してもらうべきだと諭します。
お藤、さくら、菊次などの協力もあって、蝶次郎は『残月の茶入れ』を取り戻そうと奔走します。
ということで、謎解きと女の争いが絡み合って、本当におもしろいお芝居でした!
たつみ座長の梅八と、ダイヤ座長の菊次は、常にバトル状態ですが、大きな喧嘩は2度ありました。1度目は激しい口喧嘩で、2度目はプロレスでしたw
口喧嘩では、菊次が一言えば、梅八役のたつみ座長が十返すという感じで、しかも蝶次郎を奪われそうな梅八がかなり卑屈になっているので、とにかく言ってることがおもしろくて、笑いっぱなしでした。劣勢な菊次役のダイヤ座長がどう反撃するかも見ものでした。
プロレスでは、故アントニオ猪木さんへの感謝も!
そして、舞踊ショーです。
帯は裾に見えているのと同じレースです。お着物のキラキラしている模様が気になって画像を拡大してみたら、スパンコールでも銀糸でもなくて、小さなラインストーンをたくさん使って模様を描いていました。素敵ですよね。
お芝居の台本は座長二人のお姉さん、辰巳小龍さんが書いているそうです。凄い才能ですよね。姉弟三人がそれぞれ違う才能を持っていて、きちっと役割分担ができてて素晴らしい。まさに三本の矢!
前回、満月さんが一人で踊るの見られないかなぁと書いたら、運良く、今回見られました。衣装も踊りもめちゃくちゃ可愛かった! はいからさんな袴姿に手袋です。髪も素敵で、後ろのリボンなんかもかわいくて、後ろ姿も撮っておけばよかった。
たつみ座長のこの衣装はほんとうに豪華でした! 金で、鎖もついてて、オーガンジーの透け感もあって、足袋にも柄があって、襟は取り外しできるファーで……。美しいし、迫力もありましたね。
たつみ座長の座ってる写真を載せたので、ダイヤ座長も座っている写真を。色気があふれ出てますねえ。
今日の両座長の舞踊は、かなり激しいダンスでした。楽しいし、かっこよかった!
こちらは、ダイヤ座長を中心とした5人での踊りだったのですが……
いつのまにか、こんなことになって大笑いでした。
夢有蝶さんはお芝居でも最後に重要な役割を演じていました。まだ入って一年経ってないそうですね。すでに、なくてはならない存在感が!
初の一人踊りは今月の三吉演芸場でやる予定だそうです。
ラストショーの『乱の舟唄』はずっとずっと前に洋風のダンスで踊っていたものを、今回、和風のダンスにして、ガラッと変えての再登場だそうです。かっこよかったです!
このあと、たつみ座長はタクシーで羽田空港へ!
余裕で間に合ったようでよかったですね。ということで、以上です。