45回めの観劇 三吉演芸場 宝海劇団 『葛の葉』 ラストショー『藤娘』
行ってきました、三吉演芸場の宝海劇団! 先週、行こうと思っていた日に行けなかったりして、あいだが開いてしまいました。来年も来てほしいとか書いておきながら自分が行かないなんてダメダメですよね。ということで、前売り券を買い足しておきましたw
この前売り券なんですが、200円引きになるけど、私のように予定の立たない人が買うと余らせてかえって損になってしまうこともあります。それなのに、なぜ買うのかといえば……。
こんな感じで、三吉演芸場の前売り券は女形と立役の2種類の写真が入って、使うと右のようになります。これを記念にとっておきたいのです! 保存用以外は栞にしたりとか、何枚あっても嬉しかったりしてw
話が逸れましたが、行ったのは日曜日の夜の部。たくさんお客さんが入っていましたよ。土日の昼の部はどちらも大入りが出て、土曜日は補助席まで出ていたというからダブルかな。先週は平日の何でもない日にも大入りが出ていたようです!
で、私が行った夜の部は珍しく、舞踊ショーが先で、お芝居が後でした。
なのでまずは舞踊ショーのレポを。
最初がいきなりこれですよ、ビックリしたー! 大鎌をを持つ悪魔?
すぐ置くかと思ったら、ずっと持って踊っていました。こういうのもいいなー。
かと思えば、シンプルに、ひたすら踊りで魅せるものもありました。
前に来たときはお子様は三代目ボーイ豆タンクさんだけだったんですが、日曜日だからか、チビ丸さんも観ることができました。くっきりした顔立ちですねえ。この方も一人でしっかり踊っていました。
群舞だけど、座長のアップw 前に来たとき口上で、うちの舞踊ショーは座長の登場回数が多いというようなことをおっしゃってたけど、写真をまとめてみると、たしかにw
蘭丸さん、なんだか格好いいですよね。だんだん嵌ってきたかも。
こちらは客席のあいだを歩きながらの舞踊だったので、どアップに。
この蘭丸さんがめちゃめちゃ格好よくて、踊りに見惚れていたら……。
座長も出てきて、兄妹の相舞踊に。格好よすぎる!!
座長はお父さんとも相舞踊。決まってますね。
そして、他の方も加わり、このポーズに。ですが、奥の一人だけ、バレンタインとかチョコとか書いてあって……。
最後はこうなってましたw
空也さんはこの舞踊でも、最後に笑わせてくれました。いいキャラですよね。
そして、大心さんは格好よく。
宝海真紀さんはしっとりと。
この衣装は前も後ろも可愛かったー! 後ろ姿の写真も撮ったつもりだったけど、撮ってなかった……。
そして、ラストショーは『藤娘』でした。
なんとまあ、きれいで可愛らしい。お人形さんですよね。
途中で藤の枝を持ったりもして、ここの子役は本当に優秀すぎです。
そして座長はやっぱり綺麗でした!
最後はみんなで華やかに!
そして、お芝居は『葛の葉』でした。
歌舞伎でお馴染みの演目ですね。『葛の葉子別れ』とも言い、原題は『芦屋道満大内鑑』(あしやどうまんおおうちかがみ)で、これまたもともとは人形浄瑠璃だそうで。
陰陽師、安倍晴明の出生の秘話がわかるという物語です。あらすじを舞踊ショーの写真とともにご紹介します。
葛の葉は、保名の帰りを待っていました。料理の支度は終わったので、奥で機織りをすることにしました。
そこに、葛の葉姫と家来の与勘平(やかんべえ)が訪ねてきます。先に家の中の様子を見に行った与勘平は、奥で機を織っている女が葛の葉姫とそっくりであることに驚きます。
ようやく帰ってきた保名は、葛の葉姫と与勘平から事情を聞き、いったんそこで休んでくれと言って、一人で家に入ります。
保名はふだん通りを装い、葛の葉(きつね)は食事の用意ができているからと保名を奥へ行かせます。
しかし、葛の葉はバレてしまったことに気づいていました。保名とのあいだにできた赤ん坊を抱き、自分の正体は信太の森の白狐だ、石川悪右衛門に狩られそうになったところを保名に助けられ、恩返しをしようと葛の葉に化けてここへ来た、やがて保名と結婚して子どもまでできたが、本物の姫が来たからにはもうここにはいられないと話します。
そして障子に、「恋しくばたずねきてみよ いずみなる信田の森の うらみ葛の葉」と書き置きをしますが、悲しいかな元は狐なので、文字を逆順で書いたり、裏文字で書いたり、手が疲れて口でくわえて書いたりしてしまいます。最後には四つ足で歩く狐となって衝立の上に飛び乗り、走り去っていきました。
その数年後、病に伏せる保名のもとに石川悪右衛門が訪れます。悪右衛門は道満(どうまん)様に命じられて白狐狩りをしたのに、保名に邪魔されて逃がしたため、道満様の怒りを買って閉門となってしまった、名誉を挽回するには保名の命を取るしかないと言って、斬りつけます。
保名を殺したと思って意気揚々と帰って行く悪右衛門ですが、保名の息子、おばなが旅から戻ってきて、息たえだえの保名と話します。保名は都へ行って自分の跡を継ぐようにと言いますが、おばなは都が西にあるのか東にあるのかさえわからないとこたえます。
そこに家来の野干平(やかんべえ)だと名乗る男が現れ、おばなを都へ連れて行くと約束します。安心した保名は、おばなに命じて、自分の首をはねさせます。
保名の死を見届けた野干平は不思議な妖術を使い、去ったはずの悪右衛門を引き寄せて、おばなに仇を討たせます。野干平の正体は白狐だったのです。
ということで、このあと、白狐は4人の追っ手に囲まれますが、突かれた棒に乗ってくるりと回ったり、棒の上に立ち上がったり、さらには板2枚を山型に立てかけた上に立って蜘蛛の糸を出したりと、狐と人のものすごい大立ち回りでした!
他にもとにかく見せ場の多いお芝居で、障子に字を書くところや、狐になって逃げるところや、野干平(座長)とおばな(三代目)が振りを揃えて踊るところなど、見応えは充分でした。
三代目ボーイ豆タンクさんは小学校二年生だそうですが、舞踊も一曲、完璧にこなしていたし、こっちのお芝居でも大活躍だったし、本当にすごいです。座長の白狐も見事だったし。アンコールまであって盛り上がりましたよ!
ただ、見せ場から見せ場って感じで急展開すぎてついていくのが大変だったし、そもそもの話の筋を追っていくのもきつかったので、できればナレーションでいいから、幕間にでもストーリーの簡単な説明を加えて、わかりやすくしてほしかったかなという気がしました。
これでわかりやすさが加わったら、ものすごくいい演目になると思います! とにかく見せ場は充分!! 三代目が声変わりするまで何年かやれるだろうし、おばなの役は女の子でもできるだろうし、磨きをかけてなるべく長くやり続けてほしいです。
あと、次に観る方へのアドバイスですが、座る位置はなるべく舞台を左から見られる席にした方がいいかもしれません。私の席からは衝立が邪魔で、書いている字がほとんど見えませんでした(泣)
ではでは、また行きますので!