56回めの観劇 三吉演芸場 浅井グループ 『男の立て引き』 ラストショー『お江戸はカーニバル!』
三吉演芸場にて浅井グループの公演です。この日は《英次郎祭り》でした。
引き続き劇団双竜の双竜英次郎座長、双竜巧磨さん、双竜太星さんがいて、合同公演みたいになっているので、劇団双竜の座長のお祭りもあるのですねぇ。
お芝居は『男の立て引き』(男のたてひき)でした。これは武士のお話としてやる劇団もあるみたいですが、こちらはヤクザの組どうしのお話になっていました。
それでは、舞踊ショーの写真とともにあらすじの紹介をしていきます(名前の漢字がわからなかったものは適当に当てはめています)。
正宗喜三郎親分が何者かによって殺され、正宗一家は窮地に立たされていました。子分たちの多くが去ってしまい、お金もなくなって、二代目となった兄貴分と、その弟分の金次の二人がどうにか一家を守っています。
そこに楢屋一家の代貸、熊五郎が訪ねてきます。二代目と金次は親分を殺ったのが熊五郎だと知っていますが、自分の四十九日が終わるまで仇討ちをしてはならないという親分の言いつけを守っているので、手は出せません。
熊五郎は二代目と金次が逆らわないのをいいことに、三日前に受け取ったはずの回状を受け取っていないと言いがかりをつけ、二代目の額を割って、あげく二人に手を突いて詫びを入れさせました。
さらに熊五郎は、楢屋の親分が今宵暮れ六つに蛸八亭で、親分衆を集めて花会博打を開く、そこで二代目の披露をしてやると言っているから、紋服一式を揃え、酒の酌などをさせる一夜妻を連れて来るようにと言いました。
紋服はなんとかなるにしても、一夜妻などいないし、雇うお金もありません。しかし、二代目に恥を掻かせたくない金次は、今、全盛と謳われる三浦屋の仇吉を連れてくると約束しました。
なんの当てもなく三浦屋へ行くと、舞妓のお志乃が出てきて、仇吉に会わせるわけにはいかないと金次を追い払おうとします。
そこに板場の喜助という男が出てきて、同じように仇吉には会わせられないと言いますが、正宗喜三郎の名前を聞いて、自分の命の恩人だと驚きます。
一方、蛸八亭では楢屋岩八が二代目に向かって、仇吉が来なければ嘘をついた詫びに腹を切れ、その代わり、もし仇吉が来たら、自分が腹を切って踊ってやると凄んでいました。
果たして仇吉は来るのでしょうか……。
ということで、今まで観てきたお芝居のいろんな要素が混じった大衆演劇らしいお芝居だったんですが、最後に、海斗座長が演じる濡髪長五郎(ぬれがみ ちょうごろう)という親分が現れるんです。
この濡髪長五郎は武士バージョンでもやっぱり唐突に現れるみたいなんですが、濡れたような髪に派手な着物の、かなり目立つ感じの男前です。
検索すると、浄瑠璃『双蝶々曲輪日記』の登場人物で、元力士で額を割られないように濡れ紙を当てて喧嘩をしたとありました。髪が濡れてたわけじゃないみたいです。で、武士でも親分でもなく、この話とはぜんぜん関係ない人物なんですよね。
この人がなんで唐突に現れるのか。このお芝居が書かれた当時にはなにか理由があったと思うんですけど、今、観るとまったくの謎です。でも、それがずっと残っているのも大衆演劇らしさですよね。たまにこういう飛び抜けて目立つ登場人物が現れるのも大衆演劇らしさというか。いろんな意味で、おもしろいお芝居でした。
そして、舞踊ショーです!
双竜英次郎座長はみんなで明るく楽しく踊るのがお好きだそうで、この日は1曲目からこの元気な踊りでした。ジャンプ!
海斗座長の女形は安定の美しさでした。きれいですねえ。
春道総座長の女形は笑顔もあっての、ちょっと可愛らしい女形でした。着物と帯を揃えるのがお好きみたいですね。
英次郎座長の女形も可愛かったです♪
もちろん、英次郎座長の出番は多め、なのかな? なにげに春道総座長も同じくらい多かったような。
若手チームが元気いっぱいに踊れば……
座長、花形チームも元気に踊ります♪ 大空海花形がどちらにも入ってるけどw
海斗座長の『田原坂』は熱の入った素晴らしい踊りでした。こういう歴史物をしっかり踊るのがお好きみたいですね。少し古風なお顔立ちにも合ってるし。でも、まだ24歳なんですよね。
大空海花形は沖田総司で! これが本当にイメージぴったりで素敵でした。お芝居でも観たいです! ちなみに、大空海花形は23歳です。1つ違いの兄弟なんですよね。
太星さんも熱い踊りでした。女形も見たかったけど(しつこいw)
そして、正二郎総責任者も戻っておられました。渋いですねぇ♪
ラストショーは『お江戸はカーニバル!』で、またもや明るく楽しく元気よく!
ジャンプ! ジャンプ!! 終わったあと、春道総座長がへたばってましたw
ということで、楽しいお祭りでした。行ってよかったってことで♪