大衆演劇☆観劇の記録

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10回めの観劇 三吉演芸場 剣戟はる駒座 『鵜の目鷹の目』 ラストショーはシークレット

 10回記念の観劇も剣戟はる駒座でした。

 お芝居は『特別狂言:鷹の目鳶の目』、そしてラストショーはシークレットです。

 

 

ますはお芝居『鵜の目鷹の目』

 その腕の良さからハヤブサとも称される江戸のスリ、ハンジ親分の元に、大阪から間抜けなスリ見習いがやって来る。ちょうど今日は浅草のほおずき市で人出が多い。さっそく連れて行って、実戦でスリのやり方を教えてやろうということになるのだが……というお話。

 

 自信満々なハンジ役の祀武憙座長が小憎たらしいし、鵣汀座長の長科白がひとつの見せ場になっているし、1度めは口述、2度めは紙に書かれたものが渡される手紙がポイントになっていて、最後にそういうことかとわかる痛快さのあるお話です。キネズミのデンキチといういかさま師がキーパーソンなのに一度も登場しないというのも面白い。

 

 登場人物はほかにもいて、けっこう複雑に絡み合っていくお話なんですが、複雑なわりにいつもより短くて、45分か50分ぐらいでした。

※正確に計っていたわけではなく、6時5分ぐらいから始まって、終わったときに時計を見たら6時50分だったなあ、という私の記憶です。

 

 もうちょっと長くても良かったような。最初にハンジが、蝉の鳴き声がうるさくて目を覚ますというところから始まるのは、季節が夏だとすぐに分かっていいのだけど、そこから奥さんや子分と話しているあいだ、ハンジがスリだとわかるまでに時間がかかって、会話がなかなか理解できなかったので、スリで捕まりそうになる夢を見たけど、蝉の鳴き声のおかげで目が覚めたとか、最初にそういうスリだとわかるようにしてくれているとありがたかったかも。

 

 あと、それぞれの個性が伝わってくるエピソードがもうちょっとあったほうが良かったかなあ。あまりにもパッと出てきて、さっといなくなるって展開が速すぎたかなと思いました。

 

 面白い話なだけに、ちょっともったいない気がしたので。ただ、「特別狂言」ってあるくらいだから、もとからある台本をきちっとやらなきゃいけないのかもしれないんですけどね。スリを示す指の仕草も、私が知っている今のものとはちょっと違っていたし。

 

 芝居のあとの口上では、鵣汀座長の話が長くて、話している最中に音楽が流れ、幕が閉じられて強制終了といういつもの展開でした。これ、何度見ても笑ってしまいます。

 

 舞踊ショーはいつもよりちょっとおとなしめだったかな。女形はかわいい感じより、シックな着物を着て、しっとりと大人の女性を演じているものが多くて。これはラストショーに向けての布石というか、コントラストをつけるためかなあ。しっとり系が好きな方には当たりの日でしたね。

 

 その中で、祀武憙座長が客席のあいだを歩くところがあったんですが、前を通ったとき香水の香りがふんわりと漂ってきて、あ、香水をつけているんだ! と私は強く思ってしまいました。というのは、私はコロナがはじまってから観劇をはじめたので、その前がどんなだったか知らないんですよね。

 

 あんまり近づいたことがなかったから、役者さんたちが香水をつけているかどうか知らなかったし、握手したことがないから手の感触も知らないし。前から来ているお客さんたちが当然のように知っていることを私はいろいろ知らずにいるんだなあ。なんて、この香りはどこのブランドの香水だったかなあとか一緒に考えながら感傷に浸ってしまいましたw

 

 そして、ラストショーなんですが、これはシークレットなので書けません。同じ理由で、最後の集合写真も今日は載せられないのです。

 剣戟はる駒座を何回か見て気に入ってる方だったら、必ず楽しめる内容だと思いますよ。今日も大盛り上がりでした!