大衆演劇☆観劇の記録

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58回めの観劇 三吉演芸場 浅井グループ『白虎』 ラストショー『狐の嫁入り』

 三吉演芸場に浅井グループを観に行ってきました! 今月はゲストなしでの公演は今日が最後だそうです。

 

 お芝居は『白虎』でした。これは『白狐』というお芝居をもとにした、というか、ほとんど同じお話だそうです。そういえば、白虎も白狐も読みは「びゃっこ」ですね、今、気づいたw 『白狐』の元ネタはわかりませんでした。

 それでは、舞踊ショーの写真とともにあらすじを紹介していきます。※ わからない漢字は適当に当てはめています。

道虎(白虎)役の浅井海斗座長

 同心の海老名新之丞が夜道で、何者かによって斬り殺されてしまいました。斬ったのは虎柄の頬被りをして、虎柄の着物を着た男です。海老名は斬られるときに男の頬被りを剥ぎ取っていました。男の顔には大きく珍しい痣がありました。

同心の田中役の浅井ひかりさん

 北町奉行所の同心、田中小島は、海老名が握りしめていた虎柄の布で、犯人は最近、ちまたを賑わせている白虎ではないかと考えました。白虎は夜な夜な人を襲って斬り殺していますが、町人は襲わず、殺すのは武士と限られていました。

 布の端には直参旗本三千石、織田家の家紋が入っていました。そして、織田家の次男、道虎は夜な夜な出掛けているようだと知り、道虎こそが白虎だと目星をつけます。

同心の小島役の浅井みのりさん

 田中小島織田家を訪ねますが、対応した道虎の父のあまりの威厳とその迫力に気圧されて、すごすごと帰ってしまいます。

 父は、道虎が顔の痣を気にして屋敷に籠もっている、それで痣を見られなくてすむ夜にだけ出掛けろと自分が勧めていると話しましたが、それは嘘でした。同心たちが帰ったあと、娘の早苗(加茂川竜子さん)に道虎のことを訊ねますが、道虎はまだ帰ってきていませんでした。

道虎の父、北町奉行役の浅井正二郎総責任者

 ようやく帰ってきた道虎が洗ってくれと早苗に渡した着物には、べったりと血がついていました。父が問いただすと、道虎はあっさりと自分が白虎であることを認めます。

 そして、今の世には侍が多すぎる、そのために世の中が腐りきっているから、世直しのために侍を殺しているのだと話します。

織田幸志郎、同心役の淺井春道総座長

 父は道虎の首を斬ろうとし、道虎も死を覚悟しますが、大事に育てた我が子を殺すことができませんでした。

 そこで長男の幸志郎に命じますが、幸志郎もまた弟を殺すことができません。首を斬らずに縁を切るといい、道虎を逃がそうとすると、父は小判の入った財布を投げてよこしました。

 道虎が屋敷を出たあと、父は責任を取って切腹織田家もお取り潰しになってしまいました。

華千代役の浅井陽子さん

 屋敷を出た道虎は、人気芸者の華千代のところに転がり込んでいました。華千代は岡っ引きの兄、政吉の妻が病で高い薬が必要なとき、身を売って芸者となりましたが、その借金を自力で払い終えて、芸者を辞めることになっていました。そして、辞めたあとは道虎と所帯を持ちたいと考えていました。

海老名新之丞、政吉役の浅井大空海花形

 華千代に感謝している兄の政吉は、白虎を捕まえて懸賞金の百両で華千代に盛大な祝言を挙げさせたいと考えていました。

 道虎は、父からもらったお金も尽きて、白虎である自分が華千代と結婚できるはずもないので、政吉に捕まって、それで自分の人生を終わりにしようと決めました。

 しかし、息子の吉松を連れて華千代に会いに来た政吉の顔を見損ねてしまいます。

吉松役のひなこさん

 強すぎる白虎を捕まえるため、町奉行は拳銃まで用意していました。集まった同心たちのもとに、岡っ引きの政吉も加えてほしいと願い出ました。

 後ろについていろと命じられた政吉ですが、大捕物が始まると、白虎は撃たれても立ち上がり、同心たちを次々と斬り殺していきました。

 最後に残った政吉は白虎に飛びかかりますが……。

着替えて口上の淺井春道総座長

 ということで、現代社会の写し絵のようなお話でしたね。引きこもっているうちに歪んだ正義感を膨らませて犯罪に走る、無関係な人たちを殺してしまう、というのは、昨今のニュースで見かける事件そのもののような……。

 道虎は父に責められたとき、自分が悪いと思っていないから隠そうともしないんですよね。侍は殺すべきだという正義感と、家族や恋人を大切に思う気持ちが道虎の中では矛盾していないんですよね。そこが哀れでもあり、薄ら寒さを感じるような。

 殺した侍にも家族がいるという兄の説教がラストシーンに繋がって、ようやく道虎の中で結びついたような、そんな印象的な最後でした。そう来たか、という意外性もあって。

 もともとはだれが書いたのか、いい脚本でしたね~。それに、二階の窓から見下ろすようになっているセットは初めて見ましたが、すごく効果的でした。そして、白虎の大立ちまわりは見応えがありました! あと、白虎と呼ばれているのに、最初は白い虎柄じゃなくて普通の色の虎柄で、あれ、と思いましたが、あとで白虎になって鮮やかな変化が印象的でよかったです!!

 

 そして、舞踊ショーですが、最初の大空海花形を中心とした群舞は考えすぎてうまく撮れていませんでした、がっくり。

浅井海斗座長

 でもまあ、やっちまったものはしょうがない。気を取り直して、海斗座長の女形です。きれいですねえ。

 

淺井春道総座長

 春道総座長の女形です。お着物も素敵だし、アイメイクがカラフルで華やか♪

 

浅井大空海花形

 でもでも、また大空海花形の女形がまたなかったよ~(泣)

 

浅井大空海花形、淺井海斗座長

 でも、かっこいい兄弟の双舞踊はありました! 途中で笑いもあり!!

 

浅井海斗座長

 海斗座長と女性陣の群舞はけっこう凝った踊りで、すごく素敵でした。

 こんなポーズにもなったりして。

 

浅井ひかりさん、淺井春道総座長、浅井陽子さん

 このお三人の組み合わせは初めて見ました。良いですよね。

 

浅井ひかりさん、浅井陽子さん

 ひかりさんと陽子さん、可愛かったです♪

 

 そして、ラストショーは『狐の嫁入り』でした!

 みんなに祝福されて、陽子キツネと春道キツネはぶじに祝言を終えるはずが……

 悪い海斗キツネが現れて、陽子キツネが連れ去られそうになります。

 そこに大空海キツネが現れて……

 大空海キツネは海斗キツネと戦いはじめます。

 九尾の狐となった春道キツネも加わって、海斗キツネと戦いますが……

 海斗キツネはさらに恐ろしい形相に!

 大空海キツネは殺され、海斗キツネはさらに目を光らせますが……

 ようやく春道キツネが勝って、九尾となった陽子キツネとあらためて祝言を。

 ということで、海斗座長はまたしても大立ち回りで、しかも今度はあんな暑そうな衣装でした。最後にスッピンの顔を見せてくれましたが、さすがに汗だくでしたねぇ。


 この日は浅井雷三座長の月命日だったそうですが、海斗座長は17歳で座長になってすぐにお父様を亡くされて、そのあと一緒に頑張っていた浅井雷三座長が22歳の若さで亡くなって、大変な思いをしてこられたと聞いています。そして今、本当にどの日も手を抜かずに頑張って、いい舞台を観せてくれていますよね。今日もほんとうに素晴らしかったです。

 

 

 あと、書くのを忘れてましたが、こちらは浅井グループオリジナルの辛い調味料です。800円でした。そんなに辛すぎないし、大粒でそのままでも食べられるので、次の公演先の篠原演芸場では、ビールのおつまみとしてもいいんじゃないでしょうかw