5回めの観劇 三吉演芸場 剣戟はる駒座 『お伊勢参り』 ラストショー『石川の五右衛門』
前回、あまりにも楽しかったので、また三吉演芸場の剣戟はる駒座に行ってきました。若い津川鵣汀座長と津川祀武憙座長の一座です。
お芝居は今日も喜劇です。演目を選んで行ったのでねw 『お伊勢参り』という江戸時代を舞台にしたお話でした。楽しくのんびり見られる感じのお芝居です。祀武憙座長がイケメンの大工の役、鵣汀座長がアホでブサイクな左官の役で、ちょっと藤山寛美さんを彷彿とさせるようなキャラでした。
あいだの鵣汀座長の口上は本当にこれからの出し物の説明だけで、楽しい無駄話はほぼなかったです。お疲れだったのかしら。なんとなく元気がなかったような。ただ、こういうとき、座長がもう一人いるから、もう一人が頑張るみたいなことができるのがいいところですね。
舞踊ショーは祀武憙座長の女形がかわいいし、鵣汀座長はかっこよく、とにかくどちらもほかの座員さんたちと一緒に踊るときにきれいに揃っていて見応えがありました。この群舞が多くて綺麗なのも剣戟はる駒座の特徴かな。よく練習しているんでしょうね。お揃いの衣裳も見栄えがよくて、お金かかってそうだし。お芝居も舞踊も毎日違うのに大変ですよね。
あと、知的障がい者のお客様が一番前の席にいて、座員さんたちにポカリスエットのペットボトルを何度か渡していたんですが、突然、そういうものを渡されてみんなびっくりしながらもありがとうという感じで受け取っていました。
で、舞踊ショーで総裁の勝龍治さんという方(先代の座長の師匠だとか)が侍の格好で刀を使っての舞踊のあとにも渡されたのですが、その方は柔らかい笑みを浮かべ、侍が貴重なものを受け取るときのような所作で、とても丁寧に有り難そうにペットボトルを受け取っていました。あれは長年舞台に立っている役者の品格を見せられたようで、ちょっと感動してしまいましたね。素敵でした。
ということで見所は色々あったものの、今日はお芝居も舞踊ショーもおとなしめかなあ、と思ったら、大間違いでした!!
ラストショーが凄かった!!!
『石川の五右衛門』というタイトルなのですが、一言でいえばミュージカル、いや、歌わないんですけど、石川五右衛門が日本から飛び出して大泥棒をってストーリーなんですが、話はどんどん展開して、場面は次々に変わり、みんなで激しく踊りまくり、五右衛門役の祀武憙座長が早着替えもするし、まあ、とにかく楽しい! ド派手で華やか、まさに最高のエンターテイメント!! これだけでも来た甲斐ありでした。
で、最後に舞台の端のところの出口でお見送りをしてくれるのですが、前回、お見送りをしてもらってからトイレに行ったら、外へ出るドアを閉じられてしまっていたので、今回はお見送りは諦めて後ろから出てトイレへ。そのまま外へ向かっていたら、なんと、それに気づいた祀武憙座長がわざわざ出口から身を乗り出して、「ありがとうございましたー」とやさしい笑顔で手を振ってくれたのです。惚れてまうやろーw
実はつい先日、ほかの方のブログによその劇団のことが書いてあって、若い座長がお見送りのときご贔屓客とずっと喋ってた、ふつうの客にも挨拶ぐらいしろとか、夜の部の客を大事にしないとか、そういうのを読んだばかりだったので、よけいに、祀武憙座長は違う! と感動してしまったのでした。
もう、あと何回か、行けるだけ行くしかないっ。
あ、ちなみに鵣汀座長は私が見えない奥の位置にいました。