大衆演劇☆観劇の記録

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8回めの観劇 立川けやき座 劇団美山 こうたの日『花街の母』

 急に夫の長期出張が決まって、先週からずっとバタバタしていました。こういうことがあるから、観劇は行けるってときに行っとかないとダメなんですよね。今日、行けるけど、来週でいいやなんて思わないほうがいいのだなあと実感。

 

 で、期間限定で自由の身になったので、前から行って見たかった三吉演芸場以外の劇場へ行ってきました。立川けやき座です。

 

 ホームページを見て素敵な劇場だなと思っていたんですが、実物はかなり庶民的というか、えっと、三吉演芸場より古いのかなw 場所も立川駅からそんなに遠くないけど、まわりにこれと言ってなにもない郊外でした。

 

 4時半に開場ということで行ってたら、並んでいるのは3人ぐらい。あれ、お客さん全然入ってないの? とか思いつつ、中に入ってお支払い。1800円でした。三吉演芸場より400円ほど安いんですが、これはそんな単純な話ではないとあとでわかりました。

 

 受け付けにいたお姉さんに、初めて来てどこに座っていいかわからないと話すと、わざわざ座席のほうまで案内してくれて丁寧に説明してくださいました。とてもフレンドリー、というか、なんとなくアットホームな雰囲気でしたね、劇場全体が。

 

 で、要するに「予約席」と貼っていないところだったら、どこでも座っていいとのことだったのですが、見てびっくり!

 

 

 ざっと見て、8割以上の席に予約が入っていました!

 そう、1800円だけど、ほとんどのお客があと300円か400円払って予約をしていたのです。だから早めに来ている人がいなかったのね。

 

 しかも座布団の貸し出しが100円で、席の傾斜がないから、前に座っている人が座布団を借りて座ると、後ろの席は前が見えづらくなるんです。だから、自分も座布団を借りてもう100円。合計するとちょうど三吉演芸場と同じ額になるのでしたw

 ただし、三吉演芸場は前のほうの席は2500円だけど、ここはかぶりつきで見ても同じ価格でしたけどね。

 

 で、私が見たかったのは劇団美山里美こうた座長です。

 里美こうた座長は26歳とまだ若く、宝海劇団宝海大空座長と劇団錦若カムイ☆龍虎座長の三人で、美3BOYS(ビースリーボーイズ)というユニットを組んでいるんだそうです。

 なんだかわからないけど、この3人が若手有望株に違いないと思って、3人全員見てみようと決めていたのです。

 

 

 行けるって日が「こうたの日」となっていて、初めてだから特別イベントの日じゃないほうがいいかなあと思ったのですが、これでまた日をあらためようなんて思ったら見損ねてしまうので、行くことにしました!

 

 お芝居は当日になってわかりましたが、『花街の母』でした。ひとにきかれりゃ、おまえのこーとをー、としーのはなれーたいもうととー♪ ですよね。渋いー。自分でこれやりたいって思う26歳男子、渋すぎるー。

 

 で、芝居が始まってまたびっくり。芸者役の里美こうた座長が座敷で踊っているところから始まるんですが、これがちゃんとした日本舞踊、しかも、ものすごく上手い。腰が入って軸がしっかりしているし、手の動きなんかも滑らかで、ものすごく綺麗。

 え、なんで、と思って家に帰って調べたら、なんと里美こうた座長は日本舞踊、藤間流の師範だそうです。すごいですよね。

 

 しかも、お芝居に入ったら、盛りを過ぎて売れなくなってきているけど、気っぷが良くて、娘の幸せを心から願う年増の芸者、やっこ姐さんそのものでした。

 悲しみの場面では目がキラキラして、やがて涙を流していました。客席でも、もらい泣きする方が続出。

 なんでそこまでやっこ姐さんになりきれるのか。自分にはないところがほとんどの役なのに。凄すぎて恐くなってくるほどでした。

 

 で、あいだに口上がなくて、休憩後に舞踊ショー。ここでも里美こうた座長の踊りのうまさが際立っていました。

 

 ただ、全体としては一人ずつの踊りが多くて、ちょっと単調かなあ。あと、ひょっとこのお面をつけて5人ぐらいで現れて、あとで一人ずつお面をとるというのがあったのですが、そのあとでまた別の曲で、やっぱりお面をとっていくというのがあって、あれ、またかと思ったり、ほかにも里美こうた座長を中心に男性5人ぐらいで踊るのとか、似た感じのが重なっていて、同じ日に同じようなことを何度もしないほうがいいんじゃないかなあって気はしました。

 

 でも、一人で踊るときとかでも、長い花道があるんですけど、それだけじゃなく、客席の中に入っていって踊ったりもして、舞台だけじゃなく、劇場全体を使っている感じはすごくよかったです。

 

 それにしても舞踊ショーも、ひょっとことか、かみしもを着て槍を振ったり、着物姿で巻物の手紙を広げたり、最後も山伏みたいな衣裳だったり、かなり全体に渋めでした。高めの年齢層を狙っているのかなと思った見ていたけど、最後に座長と総座長が出てきて話すのを聞いていたら(これが口上にあたるみたいです)、どうも座長の好みのようですね。若いから逆に渋いのが好きなのかもしれません。というか、性格かな。

 

 里美こうた座長はかなりストイックな性格みたいで、ラストダンスの最後に紙を破って出てくるんですけど、その紙に描く絵も夜中の三時になってもまだ悩んで描き続けていたそうで、それについて、もっと絵の勉強をしたいようなような話もしていて、とことん突き詰めないと気がすまないんでしょうね。まだ上へ行く人なんだろうなあ。

 

 でも、完璧かと思われた里美こうた座長でしたが、トークはそんなに得意じゃないような感じでした。代わりに里美たかし総座長がよく喋る方で、明るく楽しく、かっこいい方でした!

 

 

 まだ書きたいことがあったけど、長くなったのでこの辺でやめときます。