１２回めの観劇　三吉演芸場　小林劇団『花笠文治』　ラストショーは太鼓ショー

　大雨などでずれずれになりましたが、ようやく行けました、小林劇団！

　ここは役者さんが全員家族という劇団でした。

　なんとなく温泉宿でのんびり観ているような気分にさせてくれるほのぼの感が。　

　お芝居は『花笠文治』、ラストは『太鼓ショー』だったのですが、まずは、三代目小林隆次郎座長と小林真佐美若手リーダーを中心とした、若々しい舞踊ショーから始まりました。

　三代目小林隆次郎座長はとってもやさしそうな雰囲気の、ちょっと素朴な感じさえする方でした。まっすぐ育ちましたって感じの、絶対いい人。

　小林真佐美若手リーダーは格好よくて、女性に好かれる女性って感じですね。

　ついて来いって言われたら、ついて行きたくなるようなｗ

　お芝居は『花笠文治』。やくざものは次郎長一家以外好きじゃないんですが、この日に行くしかなかったので。

　敵対する黒田一家に連れて行かれてしまった前髪の泉吉。

　前髪の泉吉を助け出そうとする白糸滝之助。白糸滝之助役は真佐美リーダー。

　そこに現れた高田一家の親分。黒田の親分は小林真総座長が演じているのですが、これがすごい迫力。まわりが小柄だからなのか、迫力ある演技のためなのか、ものすごく大きく見えました。どーん、って感じ。恐かったです。

　白糸滝之助が土下座までしたのに、前髪の泉吉は連れて行かれてしまい、泉吉や白糸滝之助の親分である、花笠文治が高田の親分に会いに行くことに。三代目小林隆次郎座長が花笠文治役です。　

　その花笠文治がびっくりなのですが、なぜかピンク色の造花のついた笠を赤い紐で斜めに括って背中にしょっています。なんのために？　着物も派手で、人がいっぱい描いてある絵柄です。花笠まつりではないなあ。大名行列みたいな絵だけど、なんだかわかりませんでした。刀の鞘も真っ赤。

　とにかく、え、これがヤクザの親分？　なに、その花笠。なんで背負ってるの？　いつ頭にかぶるの？　かぶいてるの？　と疑問が。

　考えてみれば、子分の名前も凝り過ぎなような。でも至って真面目な芝居で、ふざけているわけでもないような。

　で、いろいろ難癖つけられて、埒が明かずに黒田一家に殴り込みに行くんですが、着物こそちゃんと戦える服装に着替えたものの、最後におかみさんが花笠を背負わせます。

　え、それ必要？　急いでるんじゃなかったの？　中に鉄板でも入っているの？　奥さん、そこは「これはいらんやろー」じゃないの？

　そして、いざ黒田一家に駆けつけてみると、今度は花笠文治のはちまきをした頭に、女性がつけるような大きい赤い玉のかんざしが。これから戦うのにかんざし？　おいおい、どこまでカブいてるんだよ～と叫びたくなりましたが、これにはちゃんと理由がありました。

　そのあとも、死んだと思った子分たちが起き上がったり、あの侍のあとを追って仇を討たなくていいのかなあと思うシーンがあったりとか、疑問が次々と湧いてきて、私なりには楽しめました。でも、帰ってきてから検索しまくっても花笠の意味が見つからなかった……。凝った名前からしても、もとはもっと長いお話なのかなって気はしますが。

　そして、お芝居のあとに２度めの舞踊ショー。

　今度は小林真総座長も、小林真弓リーダー（小林真総座長のお母さん）も、二代目小林隆次郎太夫元（小林真総座長のお父さん）も登場です。